職場の人間関係にストレスを感じている方のために対策を解説
職場の人間関係のストレスは、仕事の不満理由としても離職理由としても、最有力候補です。アンケートを検索すると、人間関係の不満が1位あるいは上位の記事が沢山出てきます。
ここでは仕事の不満ランキングと離職理由ランキングを一例だけ紹介します。どちらも人間関係が最有力候補です。
https://next.rikunabi.com/tenshokuknowhow/archives/4982
今回は職場の人間関係でストレスを感じている方のために、私自身が長年に渡りマネジメントに携わってきた経験から対策を解説します。
私自身も職場の人間関係でストレスが溜まったことはあります。決して職場の人間関係は特別なことではありません。
職場の人間関係でストレスを感じている方、日々悩んでいる方の参考になれば幸いです。
職場の人間関係で悩むことはおかしくない
どんな職場でも人が集まっています。人間にはどうしても相性があります。あなただって、私だって、子どもの頃から合う人と合わない人がいたはずです。
人が沢山集まれば、どうしても相性の問題が発生します。これはどちらが悪いということも難しいです。
大抵の場合はどちらも相手が悪いと怒りますが、どっちもどっちだったり、どっちかが一方的に攻撃していたりします。
結論を言うと、人間誰しも相性があるので、人間が集まれば相性問題でストレスが発生するのです。
職場の人間関係で悩み、ストレスを抱えてしまうのは、あなたの人間性の問題ではありません。人としてしょうがない性質なのです。
万人と相性がいい人なんていません。人気商売である芸能人だってアンチがいます。また人気が高い人ほどアンチも多くなります。相性問題は避けようがないので、罪悪感を持たないでください。
いきなり退職はしない
先に注意点を言っておきます。職場の人間関係が離職理由の最有力候補だからと言って、いきなり退職しない方がいいです。
人間関係を理由に転職するとしても、面接でそれを言うわけにはいきません。不満ばかり言う人だと受け取られてしまい、不合格になるでしょう。
また人間関係のストレスは先ほど書いたように相性問題もあるので、どんな職場に行っても多かれ少なかれ発生します。
人間関係で悩む度に転職を繰り返していては、経験やスキルを身に付けるのも大変になりますし、頻繁な転職は仕事選びにおいて不利になります。
確かに最近は転職のCMをよく見かけ、転職が盛んな世の中になりました。そのため以前なら嫌でも我慢しろとか石の上にも三年と言われたのが、最近は嫌なら辞めればいいという意見も増えてきています。
しかし転職にはリスクもあります。相性が悪い人に当たる確率も勿論ありますが、次のようなリスクも転職には付きものだからです。
- 望む仕事ができない
- 文化や社風が自分に合わない
- 自分のスキルや経験を活かせない
- 業績が今一で給料やボーナスが上がらない
- 給与ダウンした(転職によって必ず上がるとは限らない)
よってまずは社内でできる手を打ちましょう。手を打つだけ打ってダメなら転職しましょう。
誰の何でストレスを感じているか考える
誰にストレスを感じているか
まずは誰にストレスを感じているのかを考えてみましょう。職場では次のような人たちが候補となるでしょう。
- 上司
- 部下
- 先輩
- 後輩
- 同僚
- 顧客
- 協力会社
- 別の部署の人
- 経営者
特に多いのは上司や先輩、同僚でしょう。また中小企業では社長と馬が合わないとストレスも多くなりがちです。社長は個性が強い人が多いからです。
何にストレスを感じているか
誰にストレスを感じているかが明確になったら、次は何にストレスを感じているのかを考えてみましょう。
たとえば次のようなことが考えられます。
- ケンカ腰な態度
- 対立
- 見下した態度
- ハラスメント(主に上司や先輩)
- 説教(主に上司や先輩)
- 残業(主に上司や先輩)
- 高圧的な態度(主に顧客)
- 仕事ができないこと(主に後輩や部下)
考えれば他にもあるでしょうけど、よくあるものは上に挙げたことでしょう。
誰の何にストレスを感じているかが明確にできれば、手を打つことができます。手を打つとは誰かに相談することや、会社の機能を使うこと(上司や人事部に相談するなど)も含みます。
一人で抱えると誰にも気付かれませんので、誰かに相談しましょう。そうした方が気持ちも楽になります。我慢してもあなたが潰れるだけです。
ただし人に相談するためにも、誰の何で悩んでいるのかを明確にしておきましょう。そうしないとちゃんと説明できないからです。
ストレスを感じる相手別の対策
相手が上司や先輩など立場が上の人の場合
ストレスを感じる相手が上司や先輩の場合、とても厄介です。上司や先輩には立場的に逆らえないからです。
この場合は異動を検討しましょう。こちらの記事に異動の注意点が書かれていますので、参考にしてください。
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00333/120900073
この記事によると上司を飛び越えて人事部に異動願いを出しに行く人は多いようです。しかし上司を飛び越えていることが問題です。
そこでキャリアプランを作って、異動した方がキャリアアップできると説得するのがよいようです。説得相手は上司と人事部ですね。
今年度と割り切れば、辛さも多少は和らぐでしょう。いつまでか解らないことは不安ですから。
また自分のキャリアの棚卸と次のステップを考えるのはいいことです。もし失敗した場合、キャリアプランさえ作っておけば、最悪の場合は転職でも使えるからです。
さらに上記の記事によると、ジョブローテーションが盛んな会社なら、そのときまで待つという選択肢もあるようです。どうせ数年でおさらばと思えば、多少は気が楽になるでしょう。
相手が同僚や後輩、部下などの場合
ストレスを感じる相手が同僚や後輩、部下の場合は、上司に相談しましょう。
相手が後輩や部下の場合
ただし何にストレスを感じているかが重要です。個人的に好きじゃないは後輩や部下に対しては認められないでしょう。先輩や上司という立場でそれはまずいです。
仕事内容や態度に問題がある、客観的に見て相性が悪いというのであれば、上司や人事部と相談して、異動させることは可能かもしれません。
相手が同僚の場合
同僚と相性が悪くて同僚にストレスを感じている場合、仕事の進行に問題が出ないよう、どちらかが異動することになるでしょう。
この場合は上司に相談しましょう。ただし一方的に相手が悪いことにすると、あなたが人として問題がある人に見られます。言い方には気を付けましょう。
先ほど何に悩んでいるかを考えると解説しました。そこで整理できていれば、上司に相談できるでしょう。
ちなみに私も相性の悪い同僚に当たったことがあります。「お前の方が入社が後なのに、先にリーダーになるなんて許せねぇ!」と怒られケンカになりました。
上司が同僚を数か月後に異動させることにしましたが、その前に同僚の方がメンタルが潰れて自宅待機になってしまいました。
自宅待機をもって同僚は案件から外され、復帰後は別の案件に移っていきました。
このように同僚同士が相性が悪い場合、仕事の進行に問題が出ます。よってどちらかが異動した方がお互いにとっていいです。
相手が顧客か協力会社の場合
BtoBの場合でストレスを感じる相手が顧客や協力会社の場合、上司に相談して担当を変わってもらうという方法が取れます。
BtoBの場合、担当者同士のやり取りになります。私は相性の悪い担当者に当たったことはありませんが、顧客の担当者の相性が悪くて嫌だという話を同僚から聞いたことはあります。
BtoBでは場合によっては顧客や協力会社からのクレームで担当者を変えさせられることもあります。
BtoCの場合、しつこい顧客や嫌な顧客が何度も通ってくるようなら、上司に相談しましょう。
近年はカスハラ(カスタマーハラスメント)も問題になっています。DIAMONDハーバード・ビジネス・レビューでも2023年6月号に取り上げられました。
https://dhbr.diamond.jp/articles/-/9623
その顧客だけ上司や同僚に代わってもらうなどの対策を取ってもらいましょう。
職場の文化や価値観が合わない場合の対策
文化や価値観は目に見えないけど絶大な影響力を持つ
職場の文化や価値観が合わない場合、どうしても色々な人と相性が悪くなってストレスが溜まります。
どんな会社でも文化はあります。多くは創業者の個性や価値観、仕事のスタイルが元になっています。
企業は文化を作ることで個性や強みを作ります。そして文化に合った人材を採用することで、強いチームを作ることができ、自社のパフォーマンスも高めることができます。
私は実は会社との相性や働きやすさ、働きづらさは、会社の文化との相性じゃないかと考えています。
私は何度も転職した経験があり、クビになった経験もあるため、会社によって文化が違うことを体感しています。本当に社内の多くの人の考え方や価値観、習慣は会社によって大きく異なります。
今までの体験から、文化や価値観が合う会社は居心地がよくて、人間関係も快適で、仕事もやりやすいと感じます。
一方で文化や価値観が合わない会社は居心地が悪くて、人間関係の対立(同僚、上司共に)も多くなるためストレスも多かったです。仕事もやりづらかったです。
ちなみに文化については別途noteにも記事を書いています。職場の文化についてもうちょっと詳しく知りたかったら読んでみてください。
https://note.com/biginuneko/n/na5bbaecb9314
また近年よく聞くようになった心理的安全性も職場の文化です。心理的安全性は働きやすさにとても影響するものなので、是非読んでみてください。
心理的安全性が高い職場こそ人間関係のストレスが少ない職場です。
文化や価値観が合わないなら転職が吉
以上からあなたが現在お勤めの会社の文化や価値観が合わないと感じている場合、転職するのが吉となります。
会社の文化や価値観に無理に合わせようとしても、パフォーマンスは出ないですしストレスが溜まるばかりです。
古い体質の会社になると、合わせないと根性が足りないと説教されますが、根性の問題ではなく相性の問題です。
そして次の会社を探す際に文化も基準に入れましょう。求人票から文化を判断することは難しいので、面接で聞いてみるのがいいです。
面接で文化や社風について聞くことは一般的なことであり、私も何度も聞いたことがあります。
昭和の文化が合わなくて辞めた私の実体験
私自身、昭和な体質がどうしても合いません。今まで何度か昭和の体質の会社に入ってしまったことがあります。
それらの会社では、様々な管理職から問題児扱いされて説教されてばかりでしたし、同僚ともケンカしてばかりでした。どうしても価値観が真逆で、考えていることがお互いに理解できないのです。
しかし私だけ違うから、異常とか問題児という扱いを受けて叩かれるわけですね。それで最終的には自分から辞めるかクビになるかでした。
昭和な価値観で私がどうしても耐えられず、ケンカしてしまったのは下記です。20世紀はどこの会社でも当たり前だったでしょうし、現在でも先進的な会社を除けばこんなものかもしれません。
昭和な体質の会社の価値観 | 私の価値観 |
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自信がある人の集まり。世の中は大したことない人ばかりで他社も大したことないけど、うちの会社は優秀な人の集まり。 | 内向きで自分たちは優秀とか他社は低レベルと日常的に言う人は怪しい。 世の中広いんだから、社外にも目を向けた方がいいと思う。 |
同僚と同じ釜の飯を食うことで、結束力を高める。 | 同僚と同じ釜の飯を食うため、社外の人との交流を怒られる。学生時代の仲間との付き合いすら怒られる。 |
残業すればするほど偉い。残業しない人は甘えている。 | 残業なんて不毛だし疲れる。 |
理不尽や不条理に耐えてこそ優秀。 | 理不尽や不条理なんてバカバカしい。 |
知識なんて下らない。現場で手を動かせることが全て。 | 根性論やKKDと残業で何でも解決できるという考えはおかしい。 |
このような会社に入ってしまったことを未だに後悔しています。若い頃はキャリアとか会社選択に無知だから仕方ないのでしょう。
それでも所属する会社の大切さに気付けたという収穫もありました。
終わりに
今回は職場の人間関係にストレスを感じている方のために、誰の何にストレスを感じているか整理して、人に相談するという対策を解説しました。
ストレスが増えると辞めることを考えたくなります。それはおそらく誰しも同じで、私もです。しかし転職のリスクを考えたら、まずは社内で打てる手を打ってみてください。
私も職場の人間関係でストレスを感じることがあります。腹を立てて辞めたりせず、落ち着いて紙に書き出すなどして、状況を整理しましょう。