定時帰り常習プレイングマネージャーがおススメするマネジメント書8選

最終更新日

おススメのマネジメント書8選

今回は私が今まで読んだ中でおススメしたい書籍を紹介します。いずれもマネジメントの知識や考え方が身に付く書籍です。

マネジメントの道は果てし長い上に、幅広い知識が求められます。良いマネジメントをするためには常に勉強が欠かせません。ましてや残業せずに結果を出すとなればなおさら勉強が必要です。

ここで紹介する書籍を読めば、私のように定時帰りが常習になるわけではありませんが、参考になることはあるでしょう。

管理職やプロジェクトマネージャーになったばかりのマネジメント初心者や、伸び悩みを感じているマネジメント中級者に参考にしていただければ幸いです。

それでは始めましょう。

マネジメントの雑誌

どんな仕事でも専門誌は有効

どんな仕事でも専門誌が存在します。そしてマネジメントでもマネジメント専門誌が存在します。

専門誌は定期的にホットなテーマや役立つノウハウを紹介してくれます。よってマネジメント専門誌を定期的に読めば、知識がつくのはもちろん、流行のテーマが解り、マネジメントに必要な知識や考え方が身に付きます。

一昔前ならビッグデータ、オフィスと生産性が流行のテーマです。最近ならAI、DX、ハイブリッドワークなどが流行のテーマです。

またマネジメントには長年続くテーマがあります。それがリーダーシップや変革などです。

私の定時帰りはマネジメント専門誌を定期購読して知識や考え方を身に付け続けた結果だと考えています。みなさんも是非マネジメント専門誌を読んで、知識や考え方を身に付けてください。知識も思考力も一朝一夕では上達しないので、定期購読や気になるテーマがある度に買うなどして、定期的に読んでみてください。

ハーバード・ビジネス・レビュー

私はDIAMONDハーバード・ビジネス・レビューを定期購読しています。

ハーバード・ビジネス・レビューは世界のエリート60万人が読む雑誌です。世界的企業の経営陣や世界的に有名な大学の先生、世界的なコンサル会社の幹部などが最新のマネジメント手法やマネジメントの事例について解説してくれます。

ハーバード・ビジネス・レビューを10年以上読んでいて感じることは、内容が3~5年遅れて日本で広まるということです。世界の最先端は日本より3~5年は進んでいるのです。

https://dhbr.diamond.jp/

内容も多岐に渡ります。リーダーシップやコミュニケーション、キャリア、会計、人材育成、組織文化、変革など経営者や管理職、プロジェクトマネージャーにとって必要な知識が広く紹介されています。またテクノロジーに関しても最新の活用事例が紹介されています。

日本語版であるDIAMONDハーバード・ビジネス・レビューでは、テクノロジーの概念について東大や東工大の先生が解説してくれたり、日本の有名企業の経営者へのインタビューが掲載されたりします。

またDIAMONDハーバード・ビジネス・レビューでは、再建を果たした老舗企業の経営者や起業家が登場し、問題と解決法について語ることもあります。過去には箱根の元湯陣屋や獺祭の旭酒造、ユーグレナなどの経営者が登場しています。

ハーバード・ビジネス・レビューを定期購読して読み続けることで、常に最新のマネジメントをキャッチアップし続けられます。また世界トップレベルの論文や、世界トップレベルの経営者や大学教授、コンサルタントの話を読めるため、思考力という面でも自分を鍛えられます。

マネジメント力を高めたいという方は是非読んでみてはいかがでしょうか?異次元の世界への扉を開けてみましょう。

ちなみに先ほども書いた通り、ハーバード・ビジネス・レビューは扱うテーマがマネジメント全般に及ぶほど広いので、私のように定期購読するのがおススメです。

週刊ダイヤモンド

ハーバード・ビジネス・レビューはマネジメント中級者以上のための雑誌です。そこまで難易度が高いとちょっと抵抗があるという方は、同じダイヤモンド社から出ている週刊ダイヤモンドという選択肢もあります。

週刊ダイヤモンドは経営者や管理職向けの雑誌であり、流行のビジネス事情はもちろん、ときにはお酒の特集が組まれるという変わったこともあります。テーマが幅広いので、こちらも定期購読がおススメです。

https://diamond.jp/list/dw

マネジメントの専門書

マネジメント書は沢山ある

書店に行くと管理職のためのマネジメント書やプロジェクトマネジメントの書籍、業界毎のマネジメント書などがあります。

選ぶのが悩ましいですが、自分の業界のマネジメント書が内容に一番馴染みやすいと私は考えています。その次に管理職向けや全社的プロジェクトのためのプロジェクトマネジメントの書籍でしょう。

私はIT業界に所属していますので、IT業界のマネジメント書を読んだりします。ここではIT業界のマネジメント書で定番のものを紹介します。

人月の神話

IT業界で最も有名なマネジメント書の1つが人月の神話です。

マネジメントにおいて仕事のボリューム(工数)を人月や人日、人時など人数×時間で測ることは多いです。それゆえボリュームが大きければ人を投入すればいいという考えに陥ります。

しかし人月の神話では、遅れているプロジェクトに人を投入しても益々遅れるだけと説いています。人手が多ければ早く終わるのは確かです。しかし人を追加すると教育コストがかかり、コミュニケーションコストが増えます。

よって一般的には仕事量を人数で割ることはよく行われていますが、これがそのまま通じるのは、雑用や片付けなど教育コストもコミュニケーションコストもかけずとも誰でもできるノースキル・ロースキルの作業だけなのです。

人数を増やすなら教育コストとコミュニケーションコストを考慮しなければいけません。特に仕事は案件ごとに独自性があるため、それを学ぶだけで1ヶ月はかかります。また習熟してパフォーマンスが上がってくるのに2~3ヶ月はかかります。

こう考えると単純に人を足せばいいのではないことがお解りいただけるでしょう。人を足すか、期間を延ばすか、スコープを狭めるかなど、進捗に行き詰ったときの対応は慎重に考えましょう。

人月の神話は第二版も出ています。内容が追加され、縦組みから横組みになることで読みやすくなっています。

人月の神話 [ フレデリック・フィリップス・ブルックス ]

アジャイルサムライ

昨今はアジャイルの採用が増えてきました。2010年代半ば頃からアジャイルが広まり始めました。新規事業や新製品・新サービスの開発では、これからはアジャイルの採用が増えていくでしょう。

アジャイルが増えていく理由として、新しい価値を生み出す、すなわちやってみないと解らないことが増えていくからです。計画を立てて、計画をしっかり遵守していけば上手くいくのは、ゴールもやり方も解っている場合です。

ゴールもやり方も未知の活動が増えれば増えるほど、また状況の変化が激しくなればなるほど、アジャイルが有効になってきます。

何事も学び始めるに当たり入門書が役立ちます。よってアジャイルを学びたいという方のために、アジャイルの入門書として有名なアジャイルサムライを紹介します。

元々は製造業が新製品開発に使っていた、ラグビーのスクラムのような開発方法をソフトウェア開発に応用したのがアジャイルです。ラグビーのスクラムのような開発方法が1980年代、アジャイルがソフトウェア開発に採用され始めたのが2000年代です。

そしてアジャイルは変化に柔軟に対応できることから、ソフトウェア開発の枠を飛び出して、業務改善や新しい取り組みなどにも使われるようになってきました。アジャイルは流行を迎えた手法であると同時に、これから有用性が高まっていく手法でもあります。

アジャイルサムライ 達人開発者への道 [ ジョナサン・ラスマセン ]

しかしなんでもアジャイルにすればいいのではありません。アジャイルが増えてきたといえど、アジャイルが有効なシーンを見極めて、アジャイルを有効に活用していきましょう。

気軽に読めてマネジメントに役立つ書籍

大工の棟梁のマネジメント

私が色々なマネジメント書を読んだ中で、読みやすくて納得できる内容が多いと感じたのが、大工の棟梁に学ぶプロジェクトマネジメントという本です。新書ですので、サックリと読めます。

この本には、たとえ1つの案件で数日しか来ない人であっても、たとえ新人であっても、信じて任せるってもんだと書かれています。信じして任せるというのは、マネジメントにおいてとても重要なことです。

それからマネジメントにおいてはコミュニケーションの齟齬もよく発生します。大工の棟梁はこれに備えてスケッチの練習をよくしているそうです。ドアを逆に取り付けたなんてわけにはいきません。大工の棟梁は絵で具体的なイメージを示すことで、認識違いを防いでいるのです。

大工の棟梁というと、昔ながらの従弟制度や厳しい説教などをイメージしてしまうかもしれませんが、そういう内容ではないのです。

他にもチームビルディングの話や、ステークホルダーに気を遣うことなども解説されています。マネジメントを学ぶために是非一度読んでみてください。

大工の棟梁に学ぶプロジェクトマネジメント【電子書籍】[ 白鳥 美子 ]

会計入門

マネジメントをやって行く上で会計の勉強は重要です。売上やコスト、KPI、工数管理、進捗率、不具合発生率など、マネジメントをやっていると数値で情報を管理することが多いです。

マネジメントのためにこのような様々な数値を管理する会計を管理会計と呼びます。プロジェクトマネージャーにせよ管理職にせよ、管理会計を勉強しておいた方がいいと私は考えます。

管理会計を勉強せずとも、勢いでマネジメントをできるかもしれません。しかし成果を上げるためにも管理会計を勉強しておいた方がよいでしょう。

状況の把握や、日頃の仕事が会社にどう貢献しているのか(これがないと給料もボーナスも増えませんからね)を把握するために、数値で考える力が役立ちます。

残業しないマネジメントだって、仕事の目標を消化タスク数や利益とするため、労働時間が少なくても仕事を終わらせて業績を上げていればいいという考えにたどりつくのです。これは目的が解っていると同時に、目的達成を数値で考えられるということです。

管理会計の入門書で私が解りやすいと感じたものを挙げておきます。いずれも一昔前に結構売れた本です。

餃子屋と高級フレンチでは、どちらが儲かるか? 読むだけで「会計センス」が身につく本! (PHP文庫) [ 林總 ]

美容院と1,000円カットでは、どちらが儲かるか? できるビジネスパーソンになるための管理会計入門! [ 林総 ]

インバスケット思考

マネジメントをやる上で、優先順位と所要工数を付けて、やる順序ややるかやらないかを判断する必要があります。何でもかんでもやっていて、後でもいい作業や重要でない作業を削らないようでは、残業がみるみる増えてしまいます。

つまり優先度や重要度に応じたタスクの取捨選択を練習する必要もあるのです。これに役立つのがインバスケット思考です。

インバスケット思考とは、タスクの取捨選択の考え方であり、バスケットに入れられるものは限られる=入れるものを選ばなければいけないということから来ています。

インバスケット思考を勉強することで、限られた時間で膨大なタスクの中から、必要なタスクを取捨選択できるようになります。

実際に読んでみると、10~20個もタスクがある中で、時間が限られていて数個しか選べないというシーンも出てきます。

私が昔読んだ入門書はもう販売されていないようですが、同じ著者からインバスケット思考の書籍が出ていますので紹介します。

究極の判断力を身につけるインバスケット思考 [ 鳥原 隆志 ]

マネジメントに役立つカテゴリー

マネジメントをやるために勉強することは沢山あります。ここで挙げた書籍は一部であり、他にも優良な書籍は沢山ありますし、勉強した方がいいカテゴリーも沢山あります。

一例として勉強した方がいいカテゴリーを紹介します。

  • コミュニケーション
  • リーダーシップ
  • 問題解決
  • 図解
  • 文章術
  • ロジカルシンキング
  • 会計・ファイナンス

多いと感じたかもしれません。また向き不向きもあります。例えば会計・ファイナンスやロジカルシンキングはIQが求められ、コミュニケーションやリーダーシップはEQが求められるので、かなり違うと言えます。

図解や文章を学ぶには、論理力を磨きつつもコミュニケーションのように相手の心理を考える必要があります。

よって広く学びつつも、私の意見としては、みなさんご自身に適性があるものに特に力を入れてみるといいでしょう。

こういう意味でマネジメント雑誌を読む意味があります。マネジメント雑誌を読めば、広く色々学んで知識を広げつつ、広く学べるからこそ自分に適性のある分野が解るのです。

そういう意味ではハーバード・ビジネス・レビューはおススメですし、それだとハードルが高いというのであれば、週刊ダイヤモンドあたりがいいでしょう。

https://dhbr.diamond.jp/

https://diamond.jp/list/dw

終わりに

マネジメントの勉強におススメの書籍を書いたつもりでしたが、マネジメントのために勉強した方がいいことにもつながってしまいました。

マネジメントの道は千里の道も一歩からです。勉強することが沢山あり、人それぞれ違う個性を発揮できます。ぜひとも色々勉強して、ご自身の強みとなる分野やスタイルを身に付けてください。

シェアする