雰囲気が良い職場の特徴と理由をマネジメントの視点から解説
雰囲気が良い職場はとても快適に働けます。私はそういう職場が大好きですし、雰囲気が悪い職場は嫌いです。
私自身、転職回数が多いです。色々な会社を見てきました。またマネジメントを長年やってきて、マネジメントの書籍や論文を良く読むので、組織論も多少は知っています。
その経験や知識を活かして、今回は雰囲気が良い職場の特徴と理由をマネジメントの視点から解説します。
今の職場は雰囲気が良くなくて不満だという方や、雰囲気が良い職場を探して転職・就職活動中という方の参考になれば幸いです。
雰囲気が良い職場の特徴
協力し合う雰囲気ができている
協力し合う雰囲気ができている職場では、困ったことがあっても助けてもらえます。また困った人がいたら助けることが普通になっています。
こういう職場ではストレスが少なくなります。孤独や孤立、対立などが少ないですし、助けてもらえると嬉しいものだからです。
またチームメイトを助けることで、チームに貢献しているという実感も得られます。だから尚更ストレスが少なくなります。
風通しが良い
雰囲気が良い職場ではオープンに、そして気軽に話し合えることが多いです。不都合なことを言うと説教されるという心配はないのです。
雰囲気が良い職場はフラットで上下関係が厳しくない傾向にあります。緩い職場かもしれません。しかし上下関係が厳しい方が言いにくくなることも多いです。
困ったことや不都合なことほど言いやすい方が、仕事は上手く進みます。なぜならこれらは放置すると後でより大きな問題になるからです。
多様性を認めている
雰囲気が良い職場は多様性を認めてみます。同調圧力がありませんし、みんなと一緒であることも求められません。
雰囲気が良い職場では人それぞれ意見や個性が違って当たり前という考えが根付いています。それゆえ自分を発揮しやすくて居心地が良くなります。
働きやすい
雰囲気が良い職場は残業が少なく、私用で有給休暇を取りやすいという特徴があります。
残業が少ない方が疲労もストレスも断然少なくなります。すると心の余裕ができるので、他人に配慮する余裕もできます。だから職場の雰囲気も良くなります。
残業は仕事において諸悪の根源です。残業が多ければストレスが溜まり、職場の雰囲気も悪くなります。
残業がいかに悪いか、そして残業が少ないといかに快適かについて別途記事を書いていますので、是非読んでみてください。
雰囲気が良い職場になる理由
競争より協調を重視している
雰囲気が良い職場では協力し合う雰囲気ができているという話をしました。ということは協力を促す仕組みがあるということになります。
その1つが競争より協調を重視しているということです。
つまり従業員同士がお互いをライバルとして競争して勝つという個人主義よりも、チームで成果を出すというチームワーク重視の文化や評価制度があるということです。
競争や成果主義はやればやるほど得なようで、行き過ぎれば個人主義につながり、チームワークを阻害します。そうなれば職場の雰囲気はギスギスしてきます。
競争重視で個人主義だと、同僚はライバルなので打ち負かすべき相手となります。しかし協調重視ならば、同僚は仲間なので助け合う相手となります。
心理的安全性がある
雰囲気が良い職場には心理的安全性があります。心理的安全性とは何かについてはこちらの記事を参照してください。
心理的安全性がある職場では、従業員は率直に話すことができます。また自分らしくいられる、つまり個性を出しても怒られないということにもなります。
心理的安全性がある職場では、オープンに意見を言い合えるのです。結果的に多様性も確保できて働きやすさにつながります。
従業員同士の交流がある
雰囲気が良い職場では従業員同士の横のつながりがあります。
会社は仕事をする場所であって友達を作る場所じゃないという意見もあるでしょう。会社の人との付き合いが面倒という人もいるでしょう。
しかし社内人脈があると、知らないことを聞ける相手ができますし、困ったときに助け合える仲間もできます。
コミュニケーションをスムーズに進めるためには人間関係は重要です。人間関係が上手くできている職場は雰囲気が良いと、私は転職経験から感じています。
従業員に投資している
雰囲気が良い職場は従業員に投資しています。従業員への投資とは福利厚生や教育などです。
従業員への投資をせずに売上重視だと、残業もストレスも多く、プレッシャーのキツイ職場となります。それではギスギス、ピリピリして職場の雰囲気が悪くなります。
それは私自身が何度も転職して雰囲気が良い職場と悪い職場を経験して感じたことです。
従業員への教育投資をすることで生産性が上がり、残業も減ります。
すると従業員は自分にお金がかかっているから大事にされていると感じますし、残業が減ることでストレスも減ります。
こういうことが働きやすさや職場の雰囲気の良さにつながっていくと、私自身が何度も転職した経験から感じています。
雰囲気が良い職場を作る方法
心理的安全性を確保する
雰囲気が良い職場を作るのに有効なことは心理的安全性を確保することです。
先ほども書いたように、心理的安全性があるとオープンに意見を言うことができて、個性も発揮しやすいです。間違いなく雰囲気が良い職場を作ることにつながります。
心理的安全性を確保する方法については別途記事を書いていますので、参考にしてみてください。
従業員同士の交流の場を作る
非公式でいいから従業員同士の交流の場を作ることで、社内人脈を作れます。
たとえば有志による勉強会でもいいです。勉強したい人同士で集まって、輪読会やライトニングトーク会をやるでもいいです。
会社が公式に交流の場を作るなら、部署を超えた交流の場を作るとか、ベテラン社員に講師を務めてもらう勉強会をやってその後に懇親会をやるなどでいいでしょう。
こういうことをやっている会社はきっと少なくないでしょう。
私も所属したことがある会社で見たことがありますし、転職活動中に面接で勉強会のお誘いメールが日常的に飛び交っているという話を聞いたこともあります。
質問できる場を作る
困ったときに質問できて、誰かが答えてくれる場があると安心できます。
たとえば質問用のメーリングリストや、SlackやTeamsで質問用のチャンネルを作るなどです。社内の有識者がそれに答えるようになっていれば、助かることはあるでしょう。
私が所属している会社ではこのような仕組みを導入しています。そしてたまに質問がメールやチャットで流れてきます。
質問は仕事に関することもありますが、時にはモニターやキーボードなど機材選びに関することもあります。
競争より協調で評価する
競争や成果主義が行き過ぎるとチームワークより個人主義に走りがちです。
かつてカルビーが成果主義で業績を立て直しましたが、近年は個人主義や不公平感から見直しています。
近年のカルビーでは協調性を大切にしてチーム重視とすることを経営陣が宣言し、評価制度にも組み込んでいます。
詳細はDIAMONDハーバード・ビジネス・レビューの2024年12月号にインタビューがありますので、気になったら読んでみてください。
https://dhbr.diamond.jp/articles/-/11086
また近年は従業員に裁量を任せて、従業員が裁量とチームワークで成果を出す会社も登場しています。そのような会社の組織形態はティール組織と呼ばれます。
ティール組織は働きやすさややりがいがとても高く、従業員のモチベーションもとても高いです。雰囲気が良い職場を作る上で、裁量とチームワークは重要だと私は考えています。
従業員教育を行う
従業員教育に投資することで、従業員は大切にされていると感じます。また教育によって従業員のパフォーマンスが上がって、仕事が速く終わるようになれば、残業時間を減らすことにもつながります。
従業員のパフォーマンスが上がって、売上や利益が増えれば、更に従業員教育に投資することもできますし、給料やボーナスに反映することも可能になるでしょう。
従業員教育に投資すると、結果的に会社の業績として返ってくるというフレームワークもあります。サービスプロフィットチェーンというものです。
終わりに
今回は雰囲気が良い職場の特徴、職場の雰囲気が良くなる理由、そして雰囲気が良い職場の作り方について解説しました。
いずれも私自身が転職を繰り返したり、マネジメントをやったりしたことと、マネジメントの書籍や論文を読んで学んだことを基に書いています。
あなたが現在雰囲気が良くない職場にお勤めであれば、この記事を参考にまずは職場を変えようとしてみるのがよいです。
それでもダメならこの記事の内容を満たす会社を探して転職することも検討しましょう。
雰囲気が良い職場で働くことはQOLを高めます。いい働き方を追求していきましょう。