炎上プロジェクトで起きていることあるあるを実体験で語る

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炎上プロジェクトあるある

IT業界には炎上プロジェクトというものが存在します。今でも存在しているどころか、DXの波でIT投資が増えた今は増えているかもしれません。

この記事を書いている2024年3月時点でも、休日返上や年単位の納期延長、プロジェクトの中止という話を聞きます。まだまだ炎上プロジェクトは存在するようです。

私も経験が浅い頃は炎上プロジェクトに巻き込まれてしまったことがあります。よく見てみるとマネジメントに問題があることに気付きました。それが定時帰りにこだわるマネジメントにつながっていきました。

今回は私の体験談を元に、炎上プロジェクトが発生する理由や炎上プロジェクトで起きていることを書いていきます。

いずれも炎上プロジェクトの話でよく聞くことばかりで、目新しいものはありません。しかしありがちな炎上プロジェクトが何かが解るでしょう。

炎上プロジェクトとは何かを知りたい方や、炎上プロジェクトの体験談から何かを得たい方などの参考にしていただければ幸いです。

そして炎上プロジェクトを少しでも減らそうという方が出てくれば、ありがたいことこの上ないです。

炎上プロジェクトとは

炎上プロジェクトの定義と状況

炎上プロジェクトとは納期を守るために長時間の残業を常習的に行うプロジェクトです。

炎上状態に陥ったプロジェクトは、全てを人員の追加と長時間の残業で解決しようとします。そしてQCDがボロボロで全く守れそうにない状況であるという特徴があります。

プロジェクトが炎上状態に陥るきっかけのほとんどは、今のペースでは納期に間に合わないとプロジェクトマネージャーが気付くことです。

納期に間に合わないと書きましたが、進捗が悪いことだけでなく、品質を納品できるレベルまで高めていたら間に合わないことも含みます。

炎上プロジェクトは人員追加と残業に頼る

こういう状況にプロジェクトマネージャーが気付いたときから、プロジェクトは人員を追加投入しつつ残業でカバーして、納期に間に合わせるということをし始めます。

当然ながらこういうことが始まると、プロジェクトメンバーもプロジェクトの状況を疑い出します。プロジェクトが炎上したと自覚し出すのです。

私は参加中のプロジェクトが途中から炎上したケースはなく、炎上しているプロジェクトにアサインされてしまったケースがほとんどです。

そしていずれのプロジェクトも、私がアサインされた時点でメンバー全員がプロジェクトの炎上を自覚しており、100時間くらいの残業が常習化していました。

炎上プロジェクトが発生する理由

マネジメントに失敗したから

炎上プロジェクトが発生する理由は政治的事情のような例外的なものを除けば、ほぼ100%マネジメントの問題です。その中でもありがちなものを紹介していきます。

余談ですが私はプロジェクト炎上パターン10選という記事を書いています。これをやるプロジェクトはほぼ炎上するというものです。プロジェクト炎上の典型的な原因を知りたい方は、こちらも読んでみてください。

計画で失敗したから

炎上プロジェクトが発生する理由の1つに計画の失敗があります。

1年でやろうとしたけど、実は2年かかるボリュームだったなど、そもそもの計画が甘すぎる例は多いです。炎上プロジェクトのほぼ全てにおいて、見積や計画の甘さが見られます。

スケジュールを立てることは作戦計画を立てることです。戦いに勝てる作戦を立てるのと同様に、プロジェクトを達成できる作戦を立てるのです。

それにも関わらず、甘く見て楽勝で終わるだろうと考えたり、言われた通りの期日にしたなど、理由のないスケジュールを立てたりしているのが炎上プロジェクトの特徴です。

また作業ボリュームだけでなく、難易度もしっかり考慮しなければいけません。

炎上プロジェクトでは作業ボリューム同様に難易度も甘く見て、簡単にできるだろうと考えます。さらには技術検証を早い段階でやらず、後になってからやって想定以上に時間がかかっていたり、できないことに気付いたりしています。

スケジュールの立て方については別途記事を書いていますので、参考にしてみてください。

進め方で失敗したから

炎上プロジェクトに参加しているメンバーの多くは、進め方が下手だと感じているでしょう。

炎上プロジェクトの仕事の進め方は、想定外は起きない前提であったり、想定以上に速く終わる想定であったりします。

仕事は割り込みや想定外が起きるのが当たり前です。これを無視していたらスケジュールはみるみる遅延するだけです。

また炎上プロジェクトでは、問題が発生しても先延ばしすることが平然と行われます。問題を問題とみなしていないのです。問題は影響度や期限を考慮して対処する必要があります。

他にも炎上プロジェクトにはコミュニケーションの問題もあります。マネジメント側がメンバーに丸投げだったり、必要な情報を与えずに察しろだったり、ケンカ腰だったりします。

ミスや不都合を隠すということも行われます。不誠実なことは不信やケンカにつながりますので、隠し事はしない方がよいです。

その他にも顧客との認識合わせを早めの段階でせずに、プロジェクトの後半で顧客に成果物を見せるということも行われます。こうすると認識違いが発覚してやり直しが発生します。

参考までに楽観的思考と悲観的思考についても記事を書いていますので、参考にしてみてください。プロジェクトを上手く進めるために大事な考え方です。

政治的事情があるから

炎上プロジェクトの発生理由として政治的事情もあります。こればかりはマネジメントで解決できません。

先ほど炎上プロジェクトの発生理由はほぼ100%マネジメントの問題だと書きました。それはまず間違いないです。

しかしマネジメントをどれだけ上手くやっても、どうにもできないのが政治的事情です。こればかりは私も打つ手なしです。

もう少し具体的に話します。

例えば自治体などルールが厳しい組織では、年度内に予算を使い切らないといけません。とはいえ予算が思ったより余ったから発注し、年度内に終わらせてねというケースもあります。

あるいは顧客が新製品や新事業をこの時期までに始めるからという理由による納期もあります。この場合は期限が決まっているのでどうにもなりません。

他にも前期が赤字だったから、今期は意地でも年度末までに納品して売上を立て、黒字化するという例もあります。

いずれもプロジェクトマネージャーの権限を持ってしてもどうにもなりません。私自身もプロジェクトマネージャーとして上記の例を体験したことがあります。

この場合は上司と相談して政治決着をつける、つまり上司から顧客や会社の上層部に交渉してもらうしかないと私は考えています。

炎上プロジェクトで私が体験した内容

マネジメント力不足

炎上プロジェクトに限らず、仕事が上手く進まない、残業が発生するなどはほぼすべてマネジメントが原因です。

炎上プロジェクトではマネジメントのノウハウが不足しているケースが多いです。私が体験した炎上プロジェクトではどれも次のようなことが当たり前のように行われていました。

  • 見積の精度が低い
  • 計画の立て方がおかしい
  • リスク意識が低い
  • 先延ばしを平然とする
  • 情報共有がなされていない
  • 状況の変化に対応できない
  • 仕事の指示の仕方がいいかげん
  • 残業さえすれば何でもできると考えている
  • 手段と目的を混同している
  • 進捗遅れを隠す(本当のスケジュール表と対外向けの嘘のスケジュール表が作成されている)
  • 上意下達である

これはマネジメント力の欠如です。このようなことをやっていては、どれだけ技術スキルが高いメンバーを集めてもプロジェクトは炎上してしまいます。

技術的課題を甘く見ている

私が炎上プロジェクトで何度も目にしたことの1つに、とりあえずそれっぽい製品を選んでみたというケースがあります。

フィット&ギャップ分析のような製品選定において必要なことをやっていない、製品の使い方が解らないからプロジェクトが進まないなどです。

技術的に解らないにも関わらず、スケジュール上は技術検証の時間を取っていないというおかしなケースもありました。技術的なことは何も苦戦せずにスムーズに進む前提のスケジュールになっているのです。

ノウハウがないのに楽勝でできると考えてはいけません。しかるべき知識を身に付けるか、ノウハウがある協力会社に依頼する必要があります。

計画がおかしい

私が体験した炎上プロジェクトの多くは計画時点でおかしいものが沢山ありました。

2年かかるのに期間は半年など、どう考えても非現実的な期間でやろうというプロジェクトが多かったのです。

これではどうあがいても残業地獄で進めるしかなくなります。しかし残業地獄で進めたところで間に合いません。

あるプロジェクトは期間が1年でしたが、残り2ヶ月で進捗率が50%でした。そのため部長から全社メールが来て、各プロジェクトから何人出せるか教えろと言われました。そして全社員が会議室に集められて、炎上している状況について説明を受けました。

このプロジェクトは会社として総力を挙げてサービス残業を毎月200時間やることで、3ヶ月の納期延長で完了しました。しかし社員の1割くらいが離職してしまいました。

このサービス残業200時間のプロジェクトについては別記事でも書いています。私がマネジメントの重要性を実感したプロジェクトでもありました。

政治的事情で期限が決まっている

自治体の案件の場合

自治体の案件で、毎年予算が余ったからと年末に依頼が来て、予算消化のために3月末までに終わらせてほしいという案件がありました。

大学の後輩で公務員をやっている人に聞いたところ、システム上は3月を過ぎたら経費計上できないらしいです。それでボリュームには関係なく2~3ヶ月で終わらせてという話になるそうです。

こういうとき、多くのITベンダーは無理でも受注し、残業してでも納品しようとします。年度末ともなると、できるだけ決算を良くしたいからです。

依頼される内容が年度末までに終わる量であれば問題ないでしょう。しかし何でもかんでも引き受けて下に丸投げするITベンダーはいるものです。

私もこの自治体の案件のときは、合併で下請けベンダーに入ってしまっていました。そしてこの下請けベンダーは顧客の言いなりでした。力関係で逆らえなかったのだと私は推測しています。

そんなわけで毎月サービス残業を100時間して終わらせることになりました。しかもこのベンダーではこれが毎年の風物詩となっていました。酷いものです。

このように自治体の案件では年度末までに予算を使い切るために、何が何でも年度末までにやってくれという話になることがあります。それを真に受けて言われるがままにやっていたら、炎上する危険性もあります。

会社の業績が苦しい場合

私はかつて6人しかいないベンチャーにいました。その会社は最終的には経営難に陥って身売りし、下請けITベンダーに吸収されてしまいました。その下請けITベンダーが上記の自治体案件のベンダーです。

このベンチャーが身売りする少し前、ギリギリ黒字化するための仕事を請けました。つまり弱い立場で仕事を請けたのですね。

年度末が期限で、12月に話が持ち上がってきました。3ヶ月しか期限がないのです。しかもやってみないと解らない、やり方も決まっていない、誰にもどうやればいいか解らないというものでした。

3ヶ月でやろうと思ったら、やることややり方が決まっていなければいけません。よってこのプロジェクトは私がプロジェクトマネージャーをやった中で唯一の炎上プロジェクトとなりました。

技術的な実現方法の調査・検討、業務の調査や刷新内容などを検討しながらシステム開発も同時に進め、毎月80時間の残業をしました。しかし3月末までには完成しませんでした。

そこで役員と相談し、デモを見せられる形になったので一旦検収を切るということにし、会社はギリギリ黒字化を達成しました。

こういう状況では仕事を選んだら会社が潰れてしまいます。かといって条件が悪い仕事でも受けざるを得ません。そして会社として仕事を受けるか受けないかを決めるのは役員や営業であり、その後でプロジェクトマネージャーに仕事が依頼されます。

開発側の立場であるプロジェクトマネージャーに受注決定権がないゆえでもありました。一方で完成しなかったけど役員の力で政治決着に持ち込むという終わらせ方もできました。

そして4月から追加開発という形でプロジェクトが続き、残業も不要になりました。さすがに疲れただろうからと役員から休めと言われて、私は有給休暇を取りました。

政治的事情はマネジメントスキルで解決できない炎上要因です。しかし上司や役員に相談して政治決着に持ち込むという選択肢があります。

炎上プロジェクトがもたらす悪い影響

健康を大きく損ねる

炎上プロジェクトをやっていると、残業地獄で心身が疲弊していきます。こんな状況では運動不足とストレスで健康を損ねてしまいます。

また残業を夜遅くまでしていると、空腹とストレスが重なって暴食してしまいがちです。暴食すると当然ながら太ります。

しかし炎上プロジェクトでは太るのが普通であり、痩せたら逆に危険です。ストレスで食べられなくなっているということであり、ドンドン体が弱ってしまいます。

いずれにせよ炎上プロジェクトは健康を大きく損ねます。心身を病んで休職や離職をしてしまう人も出てきます。

残業が多いことによる健康への弊害について、他にも記事を書いています。気になる方は読んでみてください。

モチベーションを大きく下げる

炎上プロジェクトは終わりが見えず、大量に仕事が降ってわきます。

正確には見落としていることがありすぎて、後から続々と必要なことに気付いています。当初の計画に入っていないといけないことに後で気付くのです。これでは仕事がみるみる増えて、進捗状況がみるみる遅れていくのは当然です。

人間は目標を定めたり、ゴールが見えたりした方が、安心してモチベーションを保てます。

例えば学生時代の期末試験などは、期間限定だから寝る間も惜しんで猛勉強できます。これを何か月続くか解らないけど強制的に続けなければいけないとなっては、モチベーションなど出ませんし、疲弊するばかりでしょう。

実際に炎上プロジェクトに配属されている人は、愚痴が凄く多いです。言わなきゃやってられない状況なのです。炎上プロジェクトに入っていると、しょっちゅう飲みに行っては終電まで愚痴を言い続けるということが起きます。

私は炎上プロジェクトに入っていたときに、こういう付き合いの飲み会を何度もしました。誰もが言わなきゃやってられないのです。

これはどう考えても健全な状態じゃありません。しかし酒を飲んで愚痴を言えば一応ストレスを発散できます。もし抱え込んだら、本当に精神を病んでしまう恐れがあります。そうなると仕事を続けられなくなり、休職する必要も出てきます。

また炎上プロジェクトでストレス漬けになったことで、離職してしまう人もいます。炎上プロジェクトを引き受ける会社に対して失望してしまうわけです。

コストが膨大になる

炎上プロジェクトでは残業が80~100時間くらいあります。多いプロジェクトだと160時間くらいのところもあります。

私は協力会社の助っ人として他社のプロジェクトに行ったら、炎上していて160時間くらい残業していたということがありました。会社命令で私だけ空気を読まずに残業20時間で帰りました。

80~100時間とか160時間も残業していたら残業代が大変なことになってしまいます。

残業代は通常業務時間の25%増しです。よって残業が多いと支払うコストが多くなります。世の中にはサービス残業を強いている企業もいますが、そのような会社は論外です。

炎上プロジェクトは残業以外にも、採用と育成のコストもかかります。炎上プロジェクトで心身を病んで休職や離職をした人の穴を埋めるために、他の人を雇わなければいけなくなります。

そして雇ったら育てる必要もあります。その採用と育成のコストもかかるのです。

顧客からの信用を失う

炎上プロジェクトは長時間の残業を続けても大抵納期に間に合いません。それにもかかわらず納期直前まで必ず間に合わせますと言って残業を続けます。そして間に合いませんでしたと言って納期を延長します。

ここで困ったことが起きます。どう考えても数か月は延長しないと間に合わない場合でも、1週間や2週間など少しずつ延期するのです。そしてまた残業地獄の働き方をして間に合わせようとします。

こうやって間に合わせますと言っては少しずつ延期することを繰り返していては、顧客からの信用を失ってしまいます。

納期はしっかり間に合わせるものであり、間に合うような計画と進め方をするのがマネジメントです。炎上プロジェクトはこれができていないのです。

また炎上プロジェクトは進捗遅れを頻繁に繰り返し、品質の問題を多発させます。それゆえユーザー企業とITベンダーとでケンカするケースもよく見られます。

私もユーザー企業とITベンダーのケンカを何度か見たことがあります。中には小学生のケンカのようなやり取りもありましたし、ぼったくりと言わざるを得ない無茶苦茶な見積をITベンダーが吹っ掛けているのを見たこともあります。

炎上プロジェクトは顧客とのケンカももたらすのです。当然ながら顧客とはいい関係を築いた方がプロジェクトがスムーズに進みます。

炎上プロジェクトを発生させないための対策・予防策

炎上プロジェクトについて散々書いて来たところで、プロジェクトを炎上させないために必要なことを書いていきます。基本的にはマネジメントを上手くやるということになります。

確実にできる計画にする

スケジュールはただ線を引けばできるものではありません。作戦計画を立てることがスケジュールを立てる、すなわちプロジェクトの計画を立てるということなのです。

こういう仕事をこの日までにやってくれと言われたので線を引くという考え方では、プロジェクトは炎上します。

ゴールまでに何を達成すればいいのか?そこまでの障害は何なのか?どう攻略すればいいのか?途中でどんなリスクが起きそうか?こちらの人員やスキル・ノウハウなどはどんな体制で臨むのか?

こういうことを考えてゴールに到達できる作戦を立てることが計画を立てるということです。PlanではなくPlanningが大事なのです。

スケジュールを立てるということについては別途詳細記事を書いていますので、参考にしてみてください。

またプロジェクトを炎上させないためにできない約束をしないことも大事です。

「どうせ簡単だろ」みたいな考えで引き受けて、「やっぱできませんでした」というケースが炎上プロジェクトでは見られます。

できもしないのにできる前提で進めていく光景も炎上プロジェクトでは見られます。

できない約束はしないということについて、別途詳細な記事を書いていますので、参考にしてみてください。

リスクを考慮して進める

プロジェクトにはリスクが必ずあります。よってリスクを考慮したマネジメントが欠かせません。

しかし炎上プロジェクトではリスクが無視されていることが多いです。リスクは起きない前提で、起きてから考えるとプロジェクトマネージャーが言っていた炎上プロジェクトもありました。

私からすれば想定外なんていくらでもあるものです。事前に影響度や発生確率などとともに洗い出し、起きないやり方でやるか、予兆が出たらさっさと潰すなどをするのが当然です。

炎上プロジェクトはこういうことをしないため炎上します。

リスク管理については別途詳細な記事を書いていますので、参考にしてみてください。

またリスクになりそうな懸念事項も早めに対処した方がよいと私は考えています。マネジメントの失敗は考えが甘いところから起こります。

炎上プロジェクトは超楽観的で、都合のいいことしか考えていません。こういう考えが想定外を次々に起こし、残業地獄を招きます。

懸念事項に早めに対処することについても別途詳細な記事を書いていますので、参考にしてみてください。

技術・製品の選定を間違えない

技術や製品を選ぶ場合、フィット&ギャップ分析というものを行います。決して流行だからとか、よその会社もやっているからという理由で選んではいけません。

やりたいことに合った技術や製品を選ぶことが大事なのです。よってやりたいことをリストアップして、候補となる技術や製品がやりたいことをどれだけできるかを検証することが必要です。

このような分析をフィット&ギャップ分析と呼びます。炎上プロジェクトはフィット&ギャップ分析をサボっているケースがよくあります。

フィット&ギャップ分析(Fit&Gap分析)とは? | Webを泳ぐ

フィット&ギャップ分析を行わず、流行だからとかよその会社もやっているからという理由でやっていては、手段の目的化です。手段の目的化は典型的なプロジェクト炎上パターンです。

手段の目的化がいかに悪いか、そしてどうすればいいかは別途詳細な記事を書いています。参考にしてみてください。

想定外が起きたら当初の計画に固執しない

仕事に想定外は付きものです。よって当初の想定とは大きく変わる事態が起きたら、関係者に相談しなければいけません。無理して残業でカバーしようとしても、残業地獄に陥る上に、どうにもならないということにもなります。

計画は死守するものではありません。前提条件が変わった時点で計画を柔軟に見直しましょう。

炎上プロジェクトは当初の計画を死守して残業でカバーしようとします。しかし前提条件が変わったり、想定外の大きな問題が発生したりすれば、残業でカバーするにも限度があります。

計画に固執せず柔軟に対応することについては別途詳細な記事を書いています。参考にしてみてください。

人員追加に頼らない

遅れているプロジェクトに人員を追加するのは下策です。これは人月の神話という本で書かれています。

人月の神話 [ フレデリック・フィリップス・ブルックス ]

人員を追加しても、プロジェクトに必要な知識やスキルの解説が必要であり、すぐに活躍してもらうことは難しいのです。

また人数が増えればコミュニケーションコストが増えるのです。人数が10人から15人になれば、生産量が1.5倍になるように見えます。しかしコミュニケーションコストは1.5倍を上回ります。

100の作業を2人でやれば50日、8人でやれば12.5日でできそうに見えますが、実は違うのです。

仕事においてすべての人が1人としかコミュニケーションを行わないなどあり得ず、複数の人とコミュニケーションを行う場合が一般的だからです。だからコミュニケーションコストは単純に人数に比例せず、指数関数的に大きくなります。

よって人員追加に頼るよりも全体的な計画そのものの見直しをした方がよいです。

終わりに

今回は炎上プロジェクトでよく起きていること、そして私自身が炎上プロジェクトで体験したことを書きました。

また炎上プロジェクトでよく起きていることに対して、どういう対策を取ったらよいかについても解説しました。

プロジェクトは失敗したくないものです。しかし失敗しないようにプロジェクトを進めることは簡単ではありません。だからこそしかるべき知識を身に付ける必要があります。

炎上プロジェクトはとてもストレスが溜まります。しかし愚痴を言って終わりでは次につながりません。教訓を得て、自分の仕事に反映していきましょう。

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