形骸化したルールは現在の状況に合わせて変えることで効率化して行こう
みなさんの職場には形骸化したルールがありますか?私は今まで形骸化したルールをいくつか見てきました。今やっている仕事でも見かけます。その度に要らないなら止めてしまえばいいじゃんと思います。
現在は形骸化していようと、当初は必要だからルールができたのでしょう。しかし今では不要になってしまったのなら、止めてしまっても問題ないと私は考えます。経緯を調べた上で不要と考えられるなら、止めて様子を見ればいいのです。止めても問題なければもうやらないでいいのです。
なおここでのルールとは仕事のやり方すなわち作業プロセスにおけるルールです。こういう書式の資料を作りなさいとか、こういうチェックを行いなさいというものです。
職場の形骸化したルールで悩んでいる方、業務の効率化に取り組んでいる方、残業を削減したい方の参考になれば幸いです。
作業プロセスの中に現在は不要な作業が混じっていた
不要な作業は止めることで効率が上がる
この記事を書こうと思ったきっかけは、作業プロセスの中に使っていないデータの更新作業が入っていたからです。こんなデータ今は使っていなんだから、作ってもしょうがないだろ!と私は考えて、即作業プロセスから外しました。もちろん影響は確認しますが、問題ないという判断なら外します。
仕事には問題が山積みであり、仕事は割り込みでドンドン増えていきます。だったら無駄なことをしている暇はないのです。慣習だから、ルールだからという理由は正当な理由ではありません。
この作業は今現在必要なのか?形骸化していてもはや不要ではないか?この作業をやる意味はあるのか?などなど、作業を効率化するためには考えるべきことが沢山あります。要らない作業の廃止やより効率の良い方法の追求をすることで、残業時間は減ります。
状況が変われば形骸化する
みなさんもおそらく少なくない方が、慣習だからとかルールだからと大変な作業をやっていると思います。無駄を徹底的に省いた効率的な職場などまず存在しないので、形骸化は何かしらあるものです。
最初はちゃんと考えて作業手順を作りますが、2度目以降はその手順を守るようになるのが一般的な仕事のやり方です。そして状況が変わる度にルールが増えていくわけですが、状況が変わったがゆえに不要になるルールもあります。しかし昔からこういうやり方だからと放置されてしまう可能性も同時にあります。
継続的に効率化する
繰り返しになりますが、無駄な作業や不要な作業は削って効率化しましょう。ただし本当に不要かどうかは確認してくださいね。これって要るの?と疑問に思ったら、必要性を確認してみましょう。そうすれば毎回おなじみの作業も、だんだん作業時間が短くなってきますから。
私の場合は毎年行っている年度単位のシステムメンテナンスを、不要な作業を削りつつ、ツールやExcelテクで効率化してきました。そして100時間くらいかかっていたのを毎年10時間くらいずつ減らし、今年はついに60時間まで減らせました。
ちょっとずつだけど形骸化したルールを削れば効率化できるのです。
手作業をツールやExcelテクで効率化しよう
テキストエディターの活用
仕事って現状の作業のやり方がこうだからという理由で、そのまま従ってしまうものです。私もどんな仕事をするにしても、まずは過去の資料や成果物を確認します。参考までにやり方を知りたいと考えます。
しかし過去のやり方そのままだと進歩がないです。特に物量が多い作業はそのまま力ずくでやることに抵抗を感じます。そこでツールやExcelテクの出番です。
ツールと呼べるような便利なアプリやプログラムがあれば使いましょう。身近な例でいえばテキストエディターだって立派なツールです。テキストエディターには正規表現による一括置換機能があります。
特定の項目の書式を変えたいなら、一括置換機能で変えられます。例えばaaaという文字列をbbbにする、aaabb33-233のようにハイフン区切りの値をaaabb33 233のようにスペース区切りにするなどがテキストエディターの機能でできます。カタカナの半角を全角に変換するなども可能です。
Excelテクの活用
コード表から名称を取ってきたいなら、手作業でコピペするのではなくVLOOKUP関数を使います。2つの一覧表を比べて差異を確認したいときもVLOOKUP関数やIF関数を使います。0埋めなど特定の値で空白を埋めた書式にしたい場合はTEXT関数が使えます。
例えば下記のように式を入力すれば、特定のセルの値がXXXならこういう文字列とセルの値を組み合わせた値、それ以外ならこういう値みたいにすることもできます。
="IF(A2="XXX", "test message is "&B2&" sample.", "")
これを応用して、値を貼り付けるだけで大量の文字列を生成できます。システム開発の仕事では、コーディング補助ツールとしてExcelを使うこともありますし、データパッチ作成ではExcelが定番ツールとなっています。
Excelテクは計算だけでなく文字列生成という点においても、とても役立ちます。
自作プログラム(マクロ含む)の活用
特定のルールに従ったデータ加工をしたい場合、プログラミングが便利です。プログラミングと言っても、JavaやC#などのプログラミング言語でガッツリとプログラムを書くのもありますが、VBAというもうちょっと手軽なプログラミング言語もあります。俗にマクロと呼ぶこともあります(正確にはマクロという機能でVBAというプログラミング言語を使うわけですが)。
Microsoft Officeに入っているAccessにもVBAが使われます。Accessなら簡単なアプリケーションをIT部門以外の方が作ることも可能です。管理部門で上級者といえるスキルレベルの人なら、Accessを使いこなしてデータ加工やデータ検索をやっていたりします。私が今まで仕事で関わった範囲ですと、経理部門と金融機関に多い印象です。いわゆる会計畑の人たちですね。
RPAの活用
実は私はRPAを使ったことがないです。しかしマクロみたいなものという想像はつきます。あらかじめPC上でこういう操作を行うと言うように登録しておいて、その通りに作業するプログラムがRPAです。ルール化できる膨大な作業をやらせるのに適しています。
RPAは2010年代後半に流行った印象です。当時は求人でもRPAエンジニアという職種を目にしました。今はあまり見かけないので、一般的に普及したものになったのでしょう。
マニュアル、文書、テンプレートが解りづらければ変えてしまおう
マニュアルが解りづらい、資料の表現が解りづらいというときは、より解りやすい表現に修正しましょう。こういうものだからしょうがない、ルールだからしょうがないという考え方を捨てることが第一です。より良い形を目指して行きましょう。
テンプレートが使いづらいときも同様です。より使いやすい形に直しましょう。これまたこういうものだから、ルールだからという理由で何も改善されずに使われているケースが多いものです。
仕事はやる度にフィードバックサイクルを回して改善していくくらいでいいのです。解りづらい、不便、要らない、無駄などと感じること自体が改善のヒントです。その度にもっと良い形、今の状況に合った形を模索して改善していきましょう。
大事なことなので二回以上言いますが、継続的改善していくことが大事です。
終わりに
今回は形骸化したルールをなくすというところから出発して、無駄をなくすことや効率化することについて解説しました。みなさんの職場にも、よほど効率化が進んで事例としてビジネス誌に取り上げられるくらいの職場でない限りは無駄や非効率が蔓延っていると思います。これはどこの職場でも一緒です。
でも人間は習慣の生き物ですので、ルールだからとか昔からこうだからという理由でそのままにしてしまいます。だからこそ無駄や非効率を変えるのはみなさんの役割です。私も継続的に変えていきますので、頑張りましょう。