ブランディングの考え方を応用してキャリア形成のヒントにする
今回はちょっと変わった話です。ブランディングはキャリアと似ているところがあるなと私は感じています。よって今回はブランディングの考え方をキャリアに応用することについて、私が考えてみたことを解説します。
セルフブランディングという言葉を聞いたことがあるかもしれません。個人をブランドに例えて、強みや提供価値、ストーリー、自分個人のロゴのデザインなど、ブランドでおなじみの要素を作り込むことです。これも併せて解説します。
今回の内容はキャリアで悩んでいる方、特に自分ならではの強みや個性の出し方に悩んでいる方に参考になればと考えています。またフリーランスの方やアマチュアとして活動する方、副業・複業をしている方が自分ならではの差別化された価値を出すヒントにもなればいいなと考えています。
キャリアに必要なこと
目指す方向性
キャリアには大雑把ながら目指す方向性があると思います。例えば下記のようなものです。
- この道の専門家になりたい
- 好きなことをやって生きていきたい
- 世の中にない製品・サービスを作ってみたい
- 大きな会社を動かしてみたい
- 世の中のこんな問題を解決したいなどです。
目指す方向性が明確だとチャンスを見落としたり選択肢が狭まったりしてしまうので要注意です。新たなトレンドとかステップアップできるチャンス、今より向いている仕事あるいは働き方、経験を活かせる異業種の仕事などは、視野を広くしておかないと気付けません。だから目指す方向性は大雑把でいいのです。
強み
自分の強みを明確にすることは必須です。就職・転職にせよ独立にせよ、仕事をもらう上で強みが明確であることはほぼ必須です。
強みとは例えば下記のようなものです。
- 〇〇という技術が得意・経験豊富
- 技術リーダーやマネジメントの経験がある
- 顧客との関係構築が得意
- コミュニケーション力が高い
- 会計の知識がある
- プレゼンでの勝率が高い
- 品質チェックでの不具合検出率が高い
このように挙げればキリがないです。それくらい強みとしてアピールできることは沢山あります。
ブランディングとキャリアの共通点
目指す方向性
最近作られた、あるいはリニューアルされたブランドだとパーパスが設定されていることが多いでしょう。伝統的ブランドでもこういう価値を顧客に提供したいとか、世の中をこうしたいというものがあるでしょう。
例えばこのブランドは〇〇を顧客に提供する、〇〇な社会を目指すなどです。ブランドのパーパスについては前回の講義を参照してください。
ブランディングととキャリアで違う点もあります。ブランドが目指す方向性は必ず顧客を向いていますが、個人のキャリアの場合は自分を向いている可能性もあります。全ての人が必ずしも顧客や社会のために仕事をするわけではなく、むしろそういうのは意識高い系が中心でしょう。なりたい自分になるためという人が多いと私は考えています。
強み・個性
ブランドには強みと個性があります。これらは必須です。ブランドも個人のキャリアも、強みは特に重要なアピールポイントです。
ストーリー
ブランドにはストーリーがあります。個人のキャリアにおいても、こういう体験がきっかけでこの仕事あるいはこの働き方を選ぼうと思ったというのがあるでしょう。ある職業の人の話を聞いて面白かった/衝撃を受けたとか、過労で倒れたからワークライフバランス重視になったなどです。
個人のキャリアにおいても、子供の頃とか学生時代の体験からこの仕事を選んだ、職業経験を積んでいくうちにこの仕事に興味が出て転職したなどはありうることです。
私の場合ですと、子供の頃から大人たちが仕事の愚痴を沢山言っていることが気になっていました。学生時代も社会人の仲間たちは仕事の愚痴ばかり言っていました。仕事を始めてみたらマネジメントがおかしいと感じました。それで自分が正しいと思うやり方でマネジメントをやっています。noteにも書いています。
マネジメントについてもMIDナレッジ・ワークショップで解説しています。
キャラクターが重要な職業
芸能人
芸能人はキャラを決めています。〇〇キャラのように個性で人気を取る仕事です。その人のパフォーマンスと個性にどれだけファンが付くかが重要な仕事です。そしてパフォーマンス自体も個性から成るものです。
作家・アーティストなど
漫画家や小説家、アーティストなどもその人の個性や世界観で勝負する仕事です。
漫画家ならその人の絵柄が雰囲気や世界観につながったりします。ゴルゴ13のような渋い絵ならハードボイルド感をタップリと感じられます。緩い絵の日常を描いた漫画も沢山あります。中には魔法少女まどか マギカのように緩い絵でシリアスなストーリーの作品もあるので一概には言えないのですが、絵柄は個性や世界観につながります。
小説だとガリレオシリーズは作者の東野圭吾氏が工学部出身で元メーカーのエンジニアだからできた理系的な作品ですね。物理学を応用したトリックが売りという個性があります。このように作家は知識や経験を活かして独自の作品を作れます。
ミュージシャンは演奏技術はもちろんですが、楽曲も重要です。楽曲もまた個性があります。このアーティストの曲が好きという人は多いでしょう。私も好きなアーティストは曲で選んでいます。
私は芸術に詳しくないのですが、芸術だって芸術家独自の考え方や表現における個性などがあるでしょう。あるいは印象派などのように特定の表現を目指したグループも存在します。表現者には個性があるのです。
ブランディングをキャリアに応用する
ブランディングをキャリアに応用する方法としてセルフブランディングという方法がよく知られています。自分をブランド化して売り込む方法です。
先ほど説明しましたように、芸能人や作家、アーティストなどはその人自身が独特の個性や世界観を持っています。これに倣って自分の強みや個性、目指したい方向を基に、自分の売り込み方や売り込みたい自分のキャラクターを考えます。そして売り込んでみましょう。
キャリアを考える時点でブランディング同様に強みや個性、目指したい方向性などは洗い出せているはずです。洗い出せていないならまずはキャリアについて考えましょう。
そしてブランドのように職場の人や顧客にイメージを伝え続けましょう。〇〇キャラというように自分の軸をしっかり持っていきましょう。こだわりでもいいです。
ストーリーも応用可能です。この仕事やこの働き方を選ぶようになった経験やきっかけなどをストーリーで語りましょう。ストーリーで語ると説得力が増します。
終わりに
今回は企業のブランディングではなく個人のブランディングというちょっと変わった話になりました。しかし知識は応用を利かせることも可能です。
キャリアについて悩んでいる方はブランディングでもいいですし他の知識でもいいですので応用してみるとヒントが得られるかもしれません。