定時で帰る人がムカつくという人のためにマネジメントのプロが本当のことを解説

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定時で帰る人がムカつくという人のために

できることなら定時で帰りたいけど、定時で帰れないという人は多いでしょう。

一方で世の中には定時になるとさっさと帰ってしまう人もいます。私もそのうちの一人です。

とはいえマネジメントを長年やってきて、マネジメントの論文も読んでいる私から見ると、定時で帰っていいケースと悪いケースがあります。

今回は定時で帰る人がムカつくという人のために、マネジメントの視点から定時で帰ることについて解説します。

働き方の参考にしていただければ嬉しいです。また定時で帰るムカつく人が定時で帰ってもいい働き方をしているのかを考える上で、参考になればと思います。

そもそも仕事は時間より成果

やるべきは成果を出すこと

仕事でやるべきことは沢山残業することではなく成果を出すことです。

顧客は沢山残業してもらいたくてお金を払っているのではありません。成果物や成果としてのサービスを納めて欲しいからお金を払っているのです。

これが仕事の本質ですので、仕事においてやるべきことは残業することではなく、顧客に成果を納めることです。

だから成果さえ出せば残業は不要ですし、成果を出せなければ残業してでも終わらせなければいけません。

仕事は成果であるということについて、詳細を書いています。成果について気になるのなら読んでみてください。

成果を出せば定時帰りは正当

顧客に納めるべき成果さえ出せていれば、定時で帰ることは正当なことです。よってこの場合はムカつくと言われる筋合いはありません。

残業しても成果を出せなければダメ

顧客に成果を納めることが仕事においてやるべきことです。よっていくら残業してもやるべき仕事を完了させられないのならダメということになります。

もっとも残業時間が三六協定の基準である45時間に達するようであれば、管理職やプロジェクトマネージャーなどマネジメントする立場の人がリスケを行うべきです。

ちなみにリスケについては別途記事を書いていますので、気になったら読んでみてください。

とにもかくにも、仕事を残業時間で測る風習は世界的に根強いものです。だからこそ残業時間の長さよりも顧客に納める成果で仕事を測ろうよと私はいつも感じています。

定時で帰るのが正しいケース

その日やるべきことを終わらせている

顧客に成果を納めることが仕事において目指すことですので、その日やるべき仕事が終われば定時で帰ることは正当です。

つまり沢山残業することよりも、定時までにどうやって上手く仕事を終わらせるかを考えるべきというのが私の意見です。

スケジュール通りか、あるいはスケジュール以上に仕事が進んでいれば、定時で帰っても文句を言われる筋合いはありません。しっかりと成果を出せています。

やるべきことをさっさと終わらせて定時で帰りましょう。定時で帰ることのメリットはとても多いです。

体調が悪い

体調が悪いときは頑張っても仕事が捗りません。またつまらないミスも増えます。だからさっさと帰って休みましょう。

体調が悪い状態で頑張っても非効率なだけです。休んで回復してから仕事した方が捗ります。

例えば普段は1日に100の仕事をこなせる人が、体調が悪くて1日に60しかできないとしましょう。

この状態で1週間頑張っても300です。3日分しかできません。体調が悪いとこれくらいパフォーマンスが落ちます。

だったら1日ガッツリと寝て、1日当たり100の仕事をこなせる状態まで回復した方がいいです。

私用がある

家族の病気、子どもの送り迎え、手続きなどがある場合は定時で帰るのも仕方ないです。これらの事情があると、場合によっては早退が必要なこともあります。

ただしこういう事情で早く帰りたい場合は、前日までに残業して仕事を前倒しておいた方がいいです。

そうでないとこの記事のタイトルにあるように、仕事を終わらせていないのに定時で帰るなんてムカつくと思われる危険性もあります。

また私用があって定時で帰る場合は、スケジュール遅れがどうしても発生してしまいそうなら、上司と相談する必要があります。

私用だから帰ると言って、何の対策もなくスケジュールを遅らせてしまっては、周囲の人に不満を抱かせるだけです。

サービス残業など残業代が払われない

残業代が払われないブラック企業で残業をさせられまくるというケースもあるでしょう。これは違法ですので、残業する筋合いはありません。そしてブラック企業はさっさと辞めるに限ります。

ただしいきなり辞めるのではなく、転職活動をして次の会社から内定が出たら辞めましょう。いきなり辞めると収入がなくなりますし、転職活動中にも足元を見られます。

私もサービス残業毎月100時間のブラック企業にいたことがありますが、過労とストレスで病院送りにされたことを理由に残業を拒否したり、代休を使ったりして、転職活動をしました。

定時で帰るのがまずいケース

その日やるべき仕事を終わらせていない

その日やるべき仕事が終わっていないのに、定時で帰るのは厳禁です。おそらく定時で帰る人がムカつくという意見も、仕事を終わらせずに定時で帰る人がいるから出てくるのでしょう。

私も仕事が終わっていないのに定時で帰る人はおかしいと感じます。

どうしても定時で帰らざるを得ないのに、定時までに終わらないなら、上司と相談して仕事量や仕事内容を調節してもらうべきです。

スケジュールが遅れている

スケジュールが遅れている場合は、残業して遅れを取り戻す必要があります。定時で帰っている場合ではありません。

もしスケジュールが遅れているにも関わらず、定時で帰らなければいけない理由があるなら、上司と相談すべきです。そして仕事量を調節してもらうなどの対応をすべきです。

緊急のトラブルが発生している

緊急のトラブルが発生した場合は、定時で帰っている場合ではありません。トラブルが解決できるまで残業してでも対応しなければいけません。

私用がある場合は、家族に私用を変わってもらえるか相談する必要があります。どうしても私用が外せないなら、上司と翌日の朝でもいいか相談しましょう。

またもし管理職やプロジェクトマネージャーなど責任ある立場で緊急のトラブルが発生してしまった場合、残念ながら私用を諦めるかリスケするか、あるいは顧客と翌日でもいいか調整する必要があります。

納期が近くて仕事量が多い

納期が近くて仕事量が多い場合、顧客に対して成果を納めるべく残業しなければいけないこともあるでしょう。

もちろん納期が近づいたら余裕が持てるようなスケジュールで進めることが理想ですが、そんなに上手くマネジメントができる管理職やプロジェクトマネージャーばかりではないのが現実です。

納期が近いのに仕事量が多い場合は、観念して残業して納品を無事に終えましょう。その後で有給休暇を取ってゆっくり休みましょう。

この場合はリフレッシュのために有給休暇を取る権利があります。そうしないと疲労が取れず、次の仕事のパフォーマンスにも影響が出ますから。

繁忙期である

繁忙期に仕事が終わっていないのに定時で帰ったら最低ですね。

ここでももちろん、基準はその日やるべき仕事が終わっているか、スケジュール通りに仕事が進んでいるかです。

仕事を効率化して残業時間を減らしましょう。大事なことは沢山残業することではなく、成果を出すこと、仕事を終わらせることです。

残業の多くはマネジメントの問題

個人にできないことが多い

計画、他部署や他社との調整、製品や技術、プロセスの採用などは残業時間に大きな影響を与えます。しかしいずれも一般社員には権限がない場合がほとんどです。

それゆえ個人が残業を減らすことは難しいです。管理職やプロジェクトマネージャーなどマネジメントをやる立場の人が、上記のことを上手くやる必要があります。

ただし個人でも生産性を上げる方法はあります。つまり個人でも残業を減らすことは可能と言えば可能です。

マネージャーが残業を当たり前と考えている

管理職やプロジェクトマネージャーが残業を当たり前と考えている場合、従業員は残業が当たり前の働き方を強いられることになります。

本来であれば残業せずに終わらせるべきです。それができなくて残業が当たり前になるから、定時で帰る人がムカつくということが起きるのです。

捉えようによってはマネージャーに振り回されて残業させられた挙句、定時で帰る人がなぜかいて、不公平感まで感じてしまうというわけですね。

そう考えるとそもそも残業が当たり前の職場では、定時で帰る人にムカつくシーンが発生しやすいとも言えます。

残業が当たり前でも事情があって定時で帰る人や、気にせず定時で帰る人もいるでしょうから。

ちなみに私は残業に大反対です。残業は悪いことだらけだからです。

マネジメントが上手ければ残業は減る

これはあまり知られていないですし、言われていないことなのですが、マネジメントが上手ければ残業は減ります。

世の中に残業が沢山ある理由は、管理職やプロジェクトマネージャーが上手くマネジメントをできていないからです。

無茶苦茶なスケジュールとか、使えるか解らないツールの採用、根性論のようなルール、手間ばかりの作業プロセス、歯車としてしか扱われない対応など、挙げればキリがありません。

私はこういうマネジメントで嫌な思いをしたからこそ、上手くマネジメントすることを追求しています。その結果として成果を出して定時で帰り、顧客からも評価されるということができています。

私が定時でも成果を出して顧客から高い評価を受けている先輩方から学んだことや、論文で読んだことは当ブログにまとめています。気になったら読んでみてください。

https://www.midknowledge-workshop.com/archives/category/lecture/management

終わりに

今回は定時で帰る人がムカつくという人のため、定時で帰ってもいいケースと定時で帰って悪いケースを解説しました。

あなたが定時で帰って嫌だなと感じる人はどちらですか?またあなたが定時で帰ることにムカつくという人がいる場合、あなたはどちらのケースで定時で帰っていますか?

定時で帰ってもいいケースを実現していきましょう。それでもムカつくという人はいつまでも残業地獄を味わっていればいいでしょう。

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