毎日2時間の残業がつらいという人のために残業しない働き方を解説
残業って疲れますよね。しかも残業すればするほど頑張っていて優秀という残業賛美は根強いですし。
毎日2時間くらいの残業は普通にあるでしょう。しかし三六協定で規定されている残業時間は1ヶ月あたり45時間です。毎日2時間残業したら、1ヶ月あたり40時間なので、三六協定で規定された残業時間に近くなってしまいます。いいこととは言えません。
私だったら2時間も残業するなんて信じられません。毎日定時で帰りますし、定時帰りを普通としています。メンバーにも残業するな、定時で帰れと言っています。
今回は残業を毎日2時間はしていてつらい、疲れているという方のために、それは普通であること、そして残業しない働き方を解説します。
残業なんて不毛ですので、減らしましょう。そして残業でつらい思いをせずともしっかり成果を出せる働き方をしていきましょう。
残業がつらいことは悪いことじゃない
働けば疲れるのは当然
仕事は通常は残業なしでも毎日8時間、週5日あります。残業をすれば毎日10時間、週6日勤務などになったりします。
こちらの記事にも書きましたが、趣味など好きなことを毎日8時間、週5日続けてできますか?たとえ趣味などの好きなことでも飽きると思います。
だから毎日定時帰りでも十分に長い時間働けているのです。それが毎日2時間の残業があるとなると、25%増しです。とても沢山働いていると言えます。
残念ながら世の中には残業賛美の人が多く、上層部ほど残業を賛美する傾向があります。そういう人たちは、毎日2時間残業することは少ないとか甘えと言う可能性があります。「俺たちは残業を100時間くらい普通にしたぞ」などと言う可能性すらあります。
しかしそんな戯言を聞く必要はありません。残業が多い=マネジメントが下手、残業が多い=成果を出すのに必要な時間が長いということですので、残業が多いから偉いわけでもなく、残業が少ないからサボっているとか甘えているのでもありません。
毎日2時間の残業は十分多い
毎日2時間も残業しているなら、あなたは十分に沢山働いています。
冒頭にも書きましたが、三六協定では毎月の残業時間は45時間と決められています。つまり健全に働くなら忙しくても一ヶ月の残業時間は45時間なのです。
毎日2時間も残業すれば一ヶ月の残業時間は40時間です。繁忙期並みに働いていると言っていいです。これがあなたにとって普通であれば、あなたは十分に働いています。
そもそも残業は悪いこと
残業はマネジメントの失敗
私は残業は悪いことだと考えています。また残業はほぼマネジメントの問題だと考えています。
これは私自身がマネジメントに失敗したプロジェクトに参加させられてしまった経験や、私自身がマネジメントを長年やって来た経験から言っています。
なかにはサービス残業を毎月200時間もさせられるプロジェクトもありました。明らかにマネジメントが下手過ぎだと解りました。
マネジメントを上手くやれば残業は減ります。だから常習的に長時間の残業をしている場合、マネジメントに問題があります。決して働き者だから残業が多いのでもなく、やる気や能力があるから残業が多いのでもないのです。
私が残業は悪いことだと考えている理由について、別途詳細な記事を書いています。あなたが残業に疑問をお持ちなら、読んでみてください。
残業は健康を害する
残業は健康を害します。夜遅くまで残業するということは、空腹を我慢するということです。更には長く働くことで疲労とストレスも溜まります。
これらが相まって、夜遅くに夕食を沢山食べてしまいます。そうすると当然太ります。
残業すればするほど太るということは残業が多い会社でよく言われることです。逆に残業が多くて痩せたらかなり危険です。ストレスで食べられなくなっている可能性があります。精神的に危険信号が出ている状態です。
残業は幸福度を下げる
私は長年に渡り残業しないマネジメントをしてきました。そして多くのメリットを感じました。残業しないメリットについても記事を書いています。
最近は時間と幸福の関係も研究されています。TIME SMARTという本では、時間にゆとりを持つことで幸福度が上がるということが書かれています。
TIME SMART(タイム・スマート) お金と時間の科学 [ アシュリー・ウィランズ ]
あなたが今、毎日2時間も残業しているのであれば、仕事の疲労は大きく、プライベートの時間も十分に取れていないでしょう。それこそ毎日帰宅したら22時頃で、夕食を食べて風呂に入れば23~24時です。
これでは毎日毎日、仕事のためだけに生きているようなものです。好きなことや家族のための時間を取る余裕もありません。つまり幸せになる時間もないのです。
仕事大好きワーカホリック人間なら仕事しかしない生活は幸せでしょうが、そういう人は少数派です。
だから毎日2時間も残業すれば十分つらいです。疲れますしリフレッシュの時間もありません。決して甘えているのでもやる気がないのでもなく、当然のことです。
残業は仕事のパフォーマンスを下げる
残業して疲れれば当然ながら仕事のパフォーマンスは下がります。ただし残業しているほとんどの人は自覚していません。
むしろ人は残業が続くと自分は頑張っているという意識が強くなってきます。よって疲労によってパフォーマンスが落ちるよりも、自己満足がドンドン強くなっていきます。
残業が慢性的に続いているということは、残業しないと十分な成果を出せないということです。疲れたときに一度定時で帰って休んでみてください。その日のうちに解放感を得てリフレッシュでき、次の日は頭が冴えて仕事が捗ります。
残業が発生する理由
マネジメントが上手く行っていないから
私はあちこちで常に言っていますが、残業はマネジメントの問題です。どんなに優秀な人を揃えても、マネジメントが下手なら残業が沢山発生します。これは間違いない真実です。
例えばあなたが異動になったとします。新しい上司が毎日方針を変えたり、厄介な仕事を夏休みの宿題のように先延ばししたり、難しい仕事を楽勝楽勝と言って短時間でできるスケジュールを立てたりしたらどう思いますか?
どう考えてもそんな上司の下では振り回されることが容易に想像できますよね?つまりあなたが優秀だろうと頑張っていようと、上司のマネジメントが下手なら残業生活まっしぐらです。マネジメントが下手なことほどどうにもならないことはありません。
会社の体質だから
会社が残業すればするほど偉いとか頑張っているという体質である場合や、残業は仕方ないからするしかないんだという体質の場合、残業を回避することが難しいです。
こういう会社では、残業を沢山した人が出世しています。出世した人が上司となってマネジメントをするわけですから、残業を前提としたマネジメントをします。当然残業が日常的に発生します。
また仕事を改善して効率化しようと考える人も滅多にいません。残業や非効率に不満を持っている人はいるでしょうが、会社の体質として諦めている人も少なくないでしょう。
こういう体質の職場では、この記事を読んでいるあなたが唯一効率化を進められる人物と考えてよいでしょう。あなたは既に残業に疑問を持って情報収集というアクションを起こしているのですから。後は改善を実行に移すだけです。
個人のパフォーマンスが低いから
不慣れな仕事を任された場合や、実務経験が少ない仕事を任された場合、まだ若手で実務経験が少ない場合は、どうしても時間がかかってしまいます。この場合は残業が多くなりがちです。
自分にとって経験が浅い、あるいは知見がない仕事ほど積極的に周りの人に聞きましょう。そうしないと残業が沢山発生してしまいます。
それに自分が知らないことを粘って調べたり試行錯誤したりするよりも、人に聞いた方が早いです。ドンドン聞いてドンドン仕事を終わらせ、残業を減らしましょう。
残業しない働き方に変えよう
残業は疲れるものです。ましてや毎日2時間も残業すれば、週末まで回復する時間がありませんので、疲労は溜まる一方です。
よって仕事を上手くやって残業を減らしましょう。そのための方法をマネジメントをやっている者の視点でいくつか紹介します。
仕事の進め方を上手くなる
残業しない働き方をするのに一番確実な方法は、仕事術やマネジメントなどを勉強して、仕事の進め方を上手くなることです。
こうすれば自分の実力で残業を減らせますし、一生使えるスキルとなります。
自己啓発本などで仕事術の本がいつの時代も出版されているのは、仕事術を学んで出世したり残業を減らしたりしたい人がいるからでしょう。
私もマネジメントを勉強したことで、残業しない働き方ができています。毎日のように定時で帰って、それでも成果をしっかり収めることはとても快適な働き方です。
勉強したことは一生の資産になりますので、仕事術やマネジメントの勉強は私としてはとてもおススメしたいです。
おススメのマネジメント書という記事も書いていますので、参考にしてみてください。
効率化できることを探して効率化する
仕事には非効率や問題が沢山あるものです。
かつて日本の製造業がジャパン・アズ・ナンバーワンになれた理由の1つに、現場主体の改善活動などによる継続的な効率化があります。
仕事を効率化し続けることで、一定時間以内にこなせる仕事量が増えれば、残業も減っていきます。今すぐ残業をなくすことは難しいですが、残業を徐々に減らしていけば、いつかは残業しないで帰れる日も出てくるでしょう。
千里の道も一歩からというように、残業しない働き方も一歩ずつ仕事を改善していくことから実現します。
仕事の効率化に関する記事もいくつか書いていますので、参考にしてみてください。
不要な作業を削る
多くの職場には昔からこうやっているからという理由だけで、なぜ存在するのか解らない作業がありがちです。
昔は何か事情があって必要な作業だったとしても、現在は不要な作業であれば、削ってしまいましょう。不要な作業を減らすことも効率化につながります。
関係者と協力関係を築く
私が意外と地味ながらも有効と感じていることが、仕事で関わる人と有効な関係を築いておくことです。
これは決して友達のように仲良くなるということではありません。日頃から真面目に働きつつも人への接し方に気配りを持たせることで、いい印象を作っておくということです。
こちらにも礼儀マナーの記事を書いていますが、仕事では「仕事だからつべこべ言わずにやれ!」ということが多いです。そうではなく、「お願いします」とか「ありがとうございます」をしっかり言いましょうということが私の言いたいことです。
いい関係を築いておくことで、困ったときに助けてもらえます。また協力もお願いしやすくなります。
最近マネジメント経験があるという方が面白いことを言っていました。その方はプロジェクト内の人とできるだけ話すようにしているそうです。もちろん不満や愚痴も出てくるでしょうけど。
そうやって日頃から話を聞いておいて、「こいつは助けてやろうかな」と思ってもらえる人になっておけば、困ったときに助けてもらえるとのことです。
逆に「こいつを助けてやろうとは思わない」と思われる人、つまり嫌な人になってしまったら、困ったときに見捨てられてしまうので気を付けているとのことでした。
これは凄く納得できました。だからこそ日頃から高圧的な態度はとらず、仕事だからやれよなんて言わず、丁寧に人と接し、人の話をよく聞いておくと得なのです。
もうちょっと意外な話があります。東洋経済に傭兵の話が載っていたのですが、傭兵は実はいい人が多いのだそうです。理由は簡単で、嫌なヤツだとピンチのときに見捨てられるからだそうです。
戦場ではピンチに陥った味方を助けるのも命がけです。だからこそいい人じゃないと助けてあげたいと思われません。
企業社会で命がけになることはブラック企業でもなければまずないですが、助けてもらえる人になっておくことは大事です。
それには媚びを売るとか人気取りに走るではなく、真面目に仕事して、礼儀マナーに気を使って、困った人を助けておくことで十分だと私は考えています。
残業が少ない会社に転職する
どうしても今いる会社のマネジメントや体質が残業賛美や残業前提を変えられない、効率化や改善もする気がないというのであれば、転職も最終手段として考える必要があるかもしれません。
会社の体質を個人で変えることはほぼ不可能です。組織変革とは社長がトップダウンで行うものです。それこそ外部からプロ経営者を呼ぶとか、世代交代したタイミングで一新するなどでなければ難しいです。
となると会社の体質が当面どうにもならなそうなら、転職を考えてみるのも一手です。
最近は残業が少ないことを売りにしている会社も増えてきました。また残業は少ないけど明確な強みがあったり、マネジメントが上手かったりして、成果はちゃんと出せている会社もあります。
私も残業せずとも元請けとして成果を出せるマネジメントをやっている会社で経験を積みました。そこで得たことを活かして定時帰りを繰り返しています。
よって残業しない働き方をするなら、残業せずに成果を出せる会社で仕事のやり方を学ぶことが有効だと私は考えています。また仕事のやり方を学べば一生モノとして役立ちます。
ただし転職は逃げの転職であってはいけません。今の会社が嫌だからという理由で転職しても、次の会社でも嫌なことが見つかって、逃げるように転職することになります。
転職をステップアップのための転職とするためにも、まずは今の会社でできることをやって、それでもダメだから実現できる会社に移るという流れにしましょう。これであれば転職エージェントや面接官も納得してくれるでしょう。
終わりに
今回は毎日残業を2時間するのがつらいという方に向けて、それは普通であること、そして残業しない働き方を実現するためにできることを解説しました。
私も最初は残業時間が平均60~80時間くらいの会社にいたことがあります。しかし残業や働き方に疑問を持って、スキルアップのための勉強をし、残業せずに成果を出す会社に転職しました。
その結果としてしっかり成果を出して定時に帰る生活が長年に渡ってできています。つまり学びさえすれば毎日定時帰りという夢のような生活も実現不可能ではないのです。
残業賛美する人や残業を仕方ないと諦めている人はおいておいて、あなたはしっかり勉強して残業せずとも成果を出せる人になってください。これはやればできることです。ほとんどの人はやらないだけです。