フォントの種類と特徴|フォントはデザインの性格に大きく影響する
今回はフォントについて解説します。フォントはデザインの性格に大きく影響します。それゆえフォントの特徴を知って、目的に応じて使い分けできるようになれば、デザインのクオリティが大きく向上します。
非デザイナーの方やデザイン初心者は是非フォントの種類や特徴を学んでください。そして色々なフォントを眺めてみてください。
それでは各フォントの特徴について解説していきます。
フォントとは何か
フォントは同じ特徴を持つ文字を集めて1セットにしたもの
フォントの種類の解説の前に、まずはフォントとは何かについて解説します。
フォントとは文字を集めてセットにしたものです。例えば日本語なら50音と言いますし、アルファベットなら26文字あります。漢字ならもっと沢山あります。
これらの文字を、同じ特徴を持つように1セットにしたのがフォントです。そしてフォントによって角ばっている、丸っこいなど特徴が様々です。ブランドのロゴなどはフォントにこだわりがあります。
それゆえ使うフォントによってデザインの性格は大きくことなりますし、デザインの目的に応じたフォントを使うことで、イメージがより伝わるということになります。
色々なフォントを試してみるとよい
初心者としては、PCに標準で入っているMS ゴシックやMS Pゴシックから他のフォントにしてみるだけでも、雰囲気を変えられます。また最近はフリーでもいい感じのフォントが充実していますので、ぜひ探してみてください。
また最近はフリーフォントも充実しています。もしPCに入っているフォントが今一だと感じたら、フリーフォントも探してみましょう。
フォントの歴史
フォントに親しんでいただくために、ちょっとここで雑学を紹介します。
現代では色々なフォントが存在しますが、多くのフォントは活版印刷が登場してから作られました。しかし世界最古のフォントはなんと古代ローマの石碑に使われていた文字なんだそうです。
それが映画によく使われるTrajan(トレイジャン)というフォントです。トラヤヌス帝の時代に作られたフォントだからトレイジャンなのですね。
フォントの種類
それではここからはフォントの種類についての解説に入っていきます。
明朝体
明朝体は和文フォント(日本語フォント)です。跳ねがあり、伝統的な日本の文字というイメージを持っています。
伝統や和風を表すときは明朝体が合います。またWordで作る仕事の文書でも使われる傾向があります。仕事で明朝体を使う場合は、格式ばった資料すなわち顧客に提出する報告書などに使うケースが多いと感じます。
また明朝体は感情的・情緒的な印象もあります。書籍、特に小説の文字が明朝体であることが多いです。創作で使うフォントに悩んだら、明朝体を試してみてください。
ゴシック体
ゴシック体は和文フォント(日本語フォント)です。跳ねなどなく、モダンな日本の文字というイメージを持っています。
明朝体よりはゴシック体の方が汎用性が高いです。一般的にはゴシック体を使った方がしっくり来る場合が多いと思います。仕事の資料やWebサイト、広告やポスターを見ていただくと、ゴシック体の方が多いと感じると思います。
セリフ体
セリフ体は欧文フォント(英文フォント)です。和文フォントでいうところの明朝体に当たります。セリフとはひげという意味で、跳ねのような部分がセリフ体には付いています。
セリフ体もまた伝統的なイメージがあります。あるいは高級ブランドやファッションに細いセリフ体が使われることがあります。
サンセリフ体
サンセリフ体は欧文フォント(英文フォント)です。和文フォントでいうところのゴシック体に当たります。サンセリフとはセリフがないという意味です。ファッション系ブランドを除くと、割と多くのブランドのロゴに使われています。
その他のフォント
よく使われるフォントは上記で挙げた4つですが、それ以外にも何種類かあります。和文フォントでは楷書体、行書体、ポップ体などがあります。欧文フォントではスクリプト体があります。
楷書体は教科書に使われるフォントです。教科書らしい文字といえばイメージがつくと思います。楷書体で検索すると、教科書らしい文字がでてきます。教科書体とも言いますが、教科書体は楷書体の一種のようです。
行書体は毛筆らしいフォントです。ポップ体は遊び心のあるフォントです。スクリプト体はいわゆる筆記体です。
フォントの違いを比べたサンプル
明朝体とゴシック体の雰囲気の違い
それでは明朝体とゴシック体がどれくらいイメージが違うのかを見てみましょう。
いかがでしょうか?上が明朝体で、下がゴシック体です。明朝体の方が和風でシャープな感じですね。ゴシック体はモダンでちょっとゴツイ感じでしょうか。
同じゴシック体フォントでも雰囲気が違う例
フォントの種類が同じでも、フォント毎に雰囲気は違います。ゴシック体同士で雰囲気が違う例を見てみましょう。
上はWindows Vistaから標準フォントになったメイリオです。下はWindows 10から標準フォントになった游ゴシックです。
メイリオはちょっと丸っこくて親しみやすい雰囲気があります。一方で游ゴシックは固い雰囲気です。このように同じゴシック体でもフォントによって雰囲気が違います。明朝体同士でも同様です。よりイメージに合ったフォントを選ぶようにすると、よりよいデザインができるようになります。
セリフ体とサンセリフ体の雰囲気の違い
続いてセリフ体とサンセリフ体の雰囲気の違いを見てみましょう。
上がセリフ体、下がサンセリフ体です。明朝体とゴシック体みたいですね。セリフ体はひげがあるためちょっと伝統的な雰囲気が出ています。ゴシック体はモダンでちょっと角ばっている感じですが、汎用的な雰囲気がありますね。
伝統的なセリフ体とモダンなセリフ体
それでは伝統的なセリフ体と比較的新しいセリフ体を比べてみましょう。
上はGaramonという16世紀のセリフ体です。ザ・伝統的フォントです。下はGeorgiaというPC時代になってから登場したフォントです。
セリフ体の違いは初心者にはちょっと解りづらいです。Garamonの方はnやt、rが古風な感じがあります。そして横方向の線がとても細いです。Georgiaの方が少しスタイリッシュな感じがします。
終わりに
フォントの種類とフォント毎の雰囲気の違いは解りましたでしょうか?いくつも比べてみるうちに雰囲気の違いが解ってきます。色々なフォントを使ったり探したりしてみてください。
フォントを使いこなせるようになれば、デザインの知識が身に付いて来たと言えるでしょう。