マネジメントをやるためには視野の広さと視座の高さが重要

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視野と視座を磨こう

今回はマネジメントにおいて視野の広さと視座の高さが必要であることを解説します。マネージャーとメンバーの決定的違いでもあり、マネージャーになったばかりの方には意識して身に着けてほしいことです。

マネージャーという立場

色々な人の協力が必要

この講座で何度か書いていますが、仕事は色々な人の協力で成り立っています。メンバーのうちは自分の作業だけやっていればよかったですが、マネージャーになると色んな人や作業が存在することが解ります。

よって色んな人の役割関心事を知る必要があります。

色々な人の協力が必要
仕事は色々な人の協力で成り立っています。

間違った捉え方の例

Aさんは自己研鑽に積極的で、スキルアップして年収アップを図りたいというタイプです。この度新たに始まったプロジェクトのリーダーになりました。これで評価が上がって、来期の給料も上がるとAさんは喜びました。

Aさんは張り切って仕事に取組みました。「俺はリーダーだからみんな俺を敬え」、「俺の命令を聞け」などと言いました。また意見の違う人にはダメだしをしました。トラブルがあればメンバーを叱責しました。「お前がしっかりしないからトラブルになった。責任を取れ、反省しろ」と。

Aさんは社内で誰よりもやるの気のあるリーダーだと自負しています。誰よりも熱量を持って熱く仕事に取り組んでいます。しかしメンバーのモチベーションは下がってしまいました。それを見てAさんはやる気を出せと発破をかけました。

この状況を見てAさんの上司はAさんを個別に呼び出し、説教をしました。Aさんは「俺は説教される筋合いはない。説教されるべきはメンバーだ」と弁解しますが、上司は納得しません。

最終的にAさんはリーダーから外され、別プロジェクトに異動になりました。Aさんは上司や後任者、メンバーを恨んでいます。自分が被害者だと思い込んでいます。

マネジメントとは色んな人の力を使って仕事を達成するためにやることです。私利私欲や自己満足のためにやってはトラブルの元になります。

偉いと思うのは間違い
マネジメントをする立場が偉いというのは思い上がりです。

視野の広さが必要

仕事に必要な作業は多い

仕事に必要な作業は沢山あります。例えばメーカーだったら、単にモノを作る以外にも沢山の仕事があります。

モノづくりに関するところでも、製品の企画や設計、試作、生産方法の確立、生産などがあります。これらに関連する仕事として、材料の調達や設備の調達、梱包、出荷、仕入れや出荷に伴う契約、活動に必要な資金の調達、仕入れ代金の支払い、販売代金の回収、従業員の給料の支払いなどなど、挙げればきりがありません。

マネジメントをやるようになると、自部署や自チームの作業以外にも、他部署や他チーム、他社の仕事ともつながりが出てきます。そして他部署や他チーム、他社に協力をお願いするケースも多々出てきます。

仕事は実に多くの人の協力で成り立っているのです。

仕事で関わる人は多い

自分の仕事は自部署の他チームや他部署、他社とつながっています。外注など協力会社や顧客だっています。こういう人たちとの調整や連携も発生します。自分のチームの仕事と隣接する仕事の全体像を把握する必要があります。

街に例えてみます。自分の街と隣接した街の地図があれば、街の中にどんな店や施設があるか解りますし、境界線も解ります。よって担当範囲やつながりが解ります。

地図のように全体を見渡せると、仕事として必要なことを広く見渡せます。

仕事に必要な作業は多い
仕事では色々な作業が発生します。当然一人では労力面でも知識面でもこなせません。

問題解決には広い知識が必要

色んな人と色んな作業をするため、知識の広さが必要になります。すべてを深く知る必要はありませんが、知らないことは手を出しにくいのが人間というものです。また他人の活動を知らずして他人の担当範囲や関心事は解りません。

問題解決には広い知識が必要
仕事では色々な問題が発生します。色々な観点からとらえる必要があるため、広い知識が必要になります。

視座の高さが必要

個人の損得だけでは成立しない

Aさんの例で見たように、個人の損得では誰もついてきません。これは従業員間だけでなく部署間や会社間でも同じです。自部署や自社の損得だけ考えていたら対立になります。こういう例は少なくないです。

お互いの利害や関心事が一致するよう調整したり、味方に巻き込んだりする必要があります。

一段高いところから見渡すということ

例えば山の上や展望台からは街が一望できます。高い視点からは全体を見渡せます。

マネジメントにおいては全体目線が重要です。高い視点を得ることで近視眼の防止や多面的に捉えることにつながります。個人の満足ではなく仕事としてのゴールを見るため、高い視点を得る必要があります。これを視座という呼び方をします。

Aさんが〇〇と言っている。じゃあ〇〇なんだねではないです。Bさんが××と言っているなら、Aさんの話とBさんの話を合わせて△△の状況かなと広く捉えることが必要です。

視座を高めるには歴史を学ぶという方法があります。偉人たちの考え方や捉え方を学ぶことで、自分の思考レベルを高めることができます。ニュートンのような天才でさえ、先人たちの知識を巨人にたとえ、自分は巨人の肩の上に乗ることで新たな発見をできたと言ったのですから、我々凡人は先人たちの知識や知恵がもっと必要です。

一段高い所から見渡す
一段高い所から見渡すことで、より広く見渡すことができます。

終わりに

今回は私が考え実践していることを書きました。私が考える仕事とはこういうものだということでもあります。有名経営者なども似たようなことを言っている人がたまにいます。

自分の損得や他部署、他社との対立などは少なくないです。みなさんは視野や視座を身に着け、色んな人の協力を得られるようになってください。そうすれば仕事は上手く行きやすくなります。

マネジメント力を上げるためには、幅広い知識や思考力が必要です。これは一朝一夕には身に付きません。専門分野の知識はもちろんですが、ビジネスや組織に関する知識も必要です。

1つはビジネス情報を仕入れることです。私はダイヤモンド社のDIAMONDハーバード・ビジネス・レビューを定期購読しています。

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