職場の人間関係が悪いという方のために理由を解説
仕事において人間関係は大事だと私は感じています。人間関係が悪い職場でケンカが絶えない生活を送ったこともあるからです。
また離職理由の1位によく上がるのが人間関係です。いくらやりたい仕事でも給料が高くても、人間関係が悪ければ、ストレスで心身を壊してしまいます。これでは長く続けることはできません。
私自身、転職回数も多いですし、マネジメントも長年やってきました。その経験から職場の人間関係が悪いという方のために、その理由を解説します。
そして職場の人間関係をよくするためにできることと、人間関係が良い職場の選び方を解説します。
もしあなたが経営者、管理職、プロジェクトマネージャー、人事部などであれば、職場の人間関係をよくするためにここで解説することに取り組んでみてください。
もしあなたが上記以外、すなわち一般社員である場合、せめてご自身の周りだけでも雰囲気をよくすることを試みてください。
そしてどうしてもダメならこの記事の解説を参考に、人間関係の良い職場を探してみてください。
人間関係が悪い職場の特徴
会話がない
人間関係が悪い職場では会話がなくなります。雑談はもちろん、仕事で必要な会話も少なくなります。
人間関係が悪い、つまり仲が悪い人たちを見てください。雑談なんてしてませんよね?仕事で必要な会話もできるだけ避け、メールやチャットでやり取りしていませんか?
またあなたは職場の嫌いな人と雑談をしますか?面倒だから仕事で必要な会話も避けたくないですか?私はそう感じることがあります。
よって人間関係が悪い職場では会話がとても少なくなります。
愚痴が多い
私は転職経験が多いです。若い頃は人間関係が悪い職場もいくつか経験しました。また合併によって人間関係が悪い職場に入らされてしまったこともありました。
その経験から言えることは、人間関係が悪い職場では愚痴が多いということです。会社や嫌いな人、よその部署などの愚痴を、日常的に言う人が多いのです。
逆に人間関係が良い職場では、愚痴はあまり出てきません。もちろん仕事や職場には嫌なことだってありますので、愚痴が0の職場はありません。
とはいえ愚痴の多さは職場の人間関係の悪さを表すバロメーターになると、色々な職場で働いた経験から私は実感しています。
横のつながりが少ない
人間関係が悪い職場では横のつながりが少ないです。私の経験上、そういう会社ではよその部署の愚痴も多かったです。
またマネジメントの論文ではサイロ化と呼ばれる現象がよく出てきます。部署単位で固まってしまい、よその部署との情報交換や協業が行われなくなっている状態のことです。
横のつながりが少ないと、よその部署との関係性が良くないことは一般的なことなのです。
職場の人間関係が悪い理由
会社や上司の方針が曖昧あるいはない
私が人間関係が悪い職場をいくつか体験して感じたことは、会社や上司の方針が曖昧、あるいはないということです。
人間関係の良し悪しと関係ないと思うかもしれません。しかし意外と重要なことです。
会社や上司の方針が曖昧、あるいはないと、従業員のモチベーションに響きます。
ただ働かされているだけの職場と、上が目指すべき方向性を示して一緒に頑張ろうと言っている職場、どちらが魅力的ですか?
リーダーシップ論においても、リーダーが目指すべき方向性を示すことの重要性が言われており、経営者のインタビューでも目指すべき方向性を何度も話したという話が出てきます。
会社や上司が方針を示さないことで、従業員に不満が溜まります。従業員の不満が多ければ、会社や上司の愚痴も増えます。愚痴が増えれば職場の雰囲気も悪くなることに異論はないでしょう。
個人主義かつ競争重視
過度な成果主義を採用している職場や、個人プレイな仕事が多い職場では、チームワークが醸成されにくいです。
成果主義も行き過ぎれば、ライバルを打ち負かして競争に勝つ方で人を向かわせます。成果主義はやればやるほど得なようで、得するために協調よりも競争に人を向かわせます。
なぜなら同僚は昇給や昇進をめぐって競い合うライバルだからです。ライバルであれば協力や交流をする相手ではなく、打ち負かす相手だからです。
そうしないと自分が打ち負かされ、昇給も昇進もできなくなるからです。
また個人プレイな仕事が多い職場でも、ライバル同士の競争が発生します。するとやはりライバルを打ち負かして競争に勝つという方向に向かいやすくなります。
残業が多い
残業が多い職場では従業員のストレス度が高くなります。ストレスが溜まればいつも不機嫌になります。すると職場がギスギス、ピリピリした雰囲気になってきます。
残業が多い職場では従業員だけでなく上司も残業でストレスが溜まっており、機嫌が悪いです。すると上司の説教も増えます。
上司の説教が増えれば、従業員のストレスは益々増えます。すると益々不機嫌でイライラしている人が増えます。これでは収拾がつかなくなります。
ストレスが溜まってイライラしている人が多くなれば、愚痴も増えますし、ケンカも発生しやすくなります。残業はとんでもない害をもたらすのです。
残業のデメリットについては別途記事を書いていますので、是非読んでみてください。
従業員同士の交流の機会がない
従業員同士の交流の機会がないと、人間関係を築く機会がありません。
人によっては与えられた仕事だけをやってればよく、職場の人と仲良くなる必要なんてないと考えているかもしれません。
しかしそのように職場の同僚やよその部署の人をどうでもいいと思っているからこそ、「あいつはイケてない」とか「あの部署の連中は解ってない」という愚痴につながるのです。
人は誰しも仲が悪い人の愚痴はよく言いますが、仲が良い人の愚痴は少ないですよね?
従業員同士の交流が少ないということは、言い換えれば他の従業員に対する不満や愚痴を減らす機会がないということなのです。
私が何度も転職した経験からも、従業員同士の交流がある職場は人間関係が良く、従業員同士の交流がない職場は人間関係が悪かったです。
職場の人間関係を良くするためにできること
心理的安全性を確保する
人間関係を良くし、働きやすさを実現する上で、心理的安全性を確保することはとても有効です。
心理的安全性を確保すれば、会社や上司の命令を我慢して聞く必要はなくなります。また自分らしくいられる、つまり個性を出していても怒られなくなります(度が過ぎればダメですが)。
私がいくつもの職場を渡り歩いて来た経験からも、心理的安全性がある職場では、とても気が楽で、安心して働くことができます。するとストレスが減りますし、会社への不満も減ります。
また心理的安全性があると、チームワークも促進されます。チームの目的を上司やリーダーがしっかりと示し、みんなで意見を出し合って協力し合うようになるからです。
心理的安全性については別途記事を書いていますので、参考にしてみてください。
競争主義や成果主義を見直す
競争主義や個人主義は行き過ぎれば協調より競争を促します。切磋琢磨という言葉は聞こえはいいですが、言い換えるとライバルに勝つことが重要ということにもなります。
カルビーは2010年代に成果主義を取り入れて業績を伸ばしました。しかし近年は成果主義を改め、チーム主義に転換しています。
なぜなら成果主義では個人同士の競争が行われ、また営業のような稼ぎやすい職種ばかりが得してしまったからです。
詳細はDIAMONDハーバード・ビジネス・レビューの2024年12月号に書かれていますので、気になったら読んでみてください。
https://dhbr.diamond.jp/articles/-/11086
このように個人主義や成果主義はほどほどにして、チームでのパフォーマンスで評価することで、協調を促すという方法があります。
その際には会社の文化も競争より協調にする必要があります。組織文化は一朝一夕でできるものではないため、評価制度の見直しとセットで地道に会社として言い続ける必要があります。
残業を減らす
残業はストレスの元です。先ほども書いた通り、ストレスが溜まればギスギス、ピリピリした雰囲気が蔓延し、愚痴やケンカも増えます。
設備やITに投資することで、業務の効率化を進めて残業を減らす必要があります。残業が減れば心のゆとりができて、愚痴やケンカも減るでしょう。また不機嫌な上司も減るでしょう。
残業の減らし方については記事を書いていますので、参考にしてください。大事なこととして、まずは残業が当たり前じゃないというようにマインドセットを変えることが大事です。
そしたら効率化を進めて残業を減らしていきましょう。残業が減ってストレスが減れば、職場の人間関係もきっと改善されていきます。
従業員同士の交流の機会を作る
従業員同士の交流の機会を作ることも、職場の雰囲気を良くする上で効果があると私は感じています。
会社に仲がいい人がいると、会社に来る楽しみが増えます。また困ったときに相談できる仲間がいるということにもなります。
その他にも理由はあります。人間は自分が辛い状況にあるときに、他に自分みたいな状況にいる人を見ると安心するそうです。大変なのは自分だけじゃないんだと。
この法則をなんと呼ぶかは知りませんが、ビジネス書や自己啓発本でよく見かけます。確かに仕事で苦労している人を見ると、苦労しているのは自分だけじゃないから頑張ろうと思えます。
また私が転職を何度もした実体験からも、従業員同士の交流がある職場は人間関係が良い傾向があります。
会社を嫌な場所でなくすためにも、従業員同士の交流は有効だと私は実体験から考えています。
人間関係が良い職場の選び方
ここまで挙げたことは、経営者や管理職、プロジェクトマネージャーなどのマネジメントをする側の立場の人、あるいは人事部のような職場改善の施策を打てる部署でないとできないことです。
それら以外の立場の方は、まずはご自身のチームだけでも良くすることを試みてください。非公式でもいいから、部活や勉強会など何か活動を始めてみてもいいかもしれません。
そしてどうしてもダメなら、ここに挙げたようなことができている職場を探して転職するのも一つの手段です。
いきなり転職するのはリスクも高いのでおススメしません。転職に当たってはキャリアの棚卸や念入りな情報収集が必要です。
逃げの転職ではなく、ステップアップの転職でなければ、キャリアのプラスになりません。
よってまずは今の職場でできることを試し、それでもダメなら転職のための情報収集をしましょう。
そして人間関係が良い職場を探すための基準として、ここで挙げた人間関係が悪い要因が少なく、人間関係が良い要因が多い会社を選ぶのです。
求人票をよくチェックし、求人票から解らなければ面接で聞きましょう。離職率は求人票でしっかりチェックしておきましょう。
残業時間について聞くのはイメージが悪いかもしれません。
しかし効率良く仕事を進めているかどうか、成果をしっかり評価してくれるかどうかを知りたいから残業に対する意識を聞かせて欲しいと言えばいいでしょう。
終わりに
今回は職場の人間関係が悪いという悩みがある方のために、私自身が転職を何度もして人間関係が良い職場と悪い職場を体験した経験から、理由と対策を解説してみました。
人間関係が良い職場には中々入れません。しかし念入りに調べないことには、人間関係が良い職場は見つかりません。
そして人間関係が良い職場は簡単に作れるものではありません。上層部の意識が重要です。
人間関係が良い職場を探すにしても作るにしても、大変ではあります。しかし人間関係が良い職場で働くメリットは大きいです。
楽しく快適な働き方を実現していきましょう。