働きやすい職場環境とは?マネジメントのプロが作り方も併せて解説

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働きやすい職場環境とは

できることなら働きやすい職場で働きたいですよね?働きづらくても給料が高ければ我慢できるかもしれませんが。

仕事におけるストレスの第一位としてよく上がるのが人間関係ですし、残業も大抵の会社には当たり前のようにあります。

仕事は辛いこともストレスが溜まることも沢山あります。ストレスに関しては働きやすい職場と働きづらい職場で劇的に違ってきます。私は転職経験が多いのでそれを実感しています。

今回は私自身が転職経験が多いことと、長年マネジメントに携わり定時帰りを繰り返してきた経験から、働きやすい職場環境とはどういうものか、作るにはどうすればいいかについて考えてみました。

次のような方に参考にしていただければ幸いです。

  • 働きやすい職場を探している(転職を検討中、転職活動中など)
  • 働きやすい職場環境を作りたくて悩んでいる(経営者、人事部、管理職など)
  • 今の職場は働きづらい、あるいはストレスが多い
  • 今の職場で人間関係やハラスメントに悩んでいる

働きやすい職場の特徴

人間関係がよい

職場における不満の第一位によくあがるのが人間関係です。つまり人間関係がよい職場は不満が少なくて働きやすいということです。

具体的には競争より協調、困ったら助けてくれる人がいる、説教やハラスメントをする管理職が少ない、同僚同士の足の引っ張り合いがないなどです。

私自身、競争重視で足を引っ張り合う会社や、説教され怒鳴られるのが日常茶飯事の職場を経験したことがあります。

ストレスが多くてやってられませんでしたが、仕事とは厳しいものだという理由の元に説教が正当化されていました。こういう職場はどう考えても働きづらい職場です。

ちなみに人間関係のストレスで悩んでいる方は、こちらの記事に対策を書いているので参考にしてみてください。

残業が少ない

残業が多いと疲労もストレスも溜まります。さらにはプライベートの時間もなくなります。そして休日は疲労とストレスからグッタリして寝てばかりということにもなりかねません。

転職回数が多い私の実体験からも、残業が少ない方が働きやすく、残業が多いとストレスが多いです。

つまり働きやすい職場は残業が少ないのです。残業が多いほど働きづらいのです。

残業が少なければ無理なく働けますし、プライベートの時間を取れるので家族サービスや自己研鑽もできます。疲労もストレスも少なければ快適です。

疲労もストレスも少ない職場なら、長く勤め続けることもできます。激務な職場で長く務めることは、体力面や家庭事情から難しいですから。

ちなみに残業しないことのメリットも書いていますので、読んでみてください。

またストレスが溜まると不機嫌な人が増えて、人間関係がギスギスしてきます。みんながギスギス、ピリピリした雰囲気の職場が働きやすいと思いますか?私にはそう思えません。

残業が少なくストレスも少なければ、不機嫌な人も減ります。

個人を尊重している

働きやすい職場は個人を尊重しています。

個人を尊重するということはハラスメントが少ないということでもあります。ハラスメントとは自己満足や自分の不満が元で他人に嫌がらせをすることですから。

また個人を尊重するということは、私用で有給休暇を取りやすいということでもあります。それゆえ有給休暇の消化率が高くなります。

さらにはやりたい仕事についても個人の希望を聞いてくれる職場もあります。

普通の職場では従業員は歯車ですので、言われたことをやれとなります。しかし個人を尊重する職場では従業員からやりたい仕事を聞いた上で、できるだけ希望に沿うように調整してくれます。

自分がやりたい仕事をできた方がやりがいも増します。すると仕方なく働かされている職場と比べて、働きやすさは断然高くなります。

働きやすい職場環境である理由

心理的安全性がある

私は転職経験が多いため、色々な会社で働いてきました。さらにはマネジメントも長年に渡りやっていますので、マネジメント書やマネジメントの論文もよく読んでいます。

そこから言えることとして、働きやすい職場には心理的安全性があります。

先ほど働きやすい職場の特徴として、人間関係がよいことと個人を尊重していることを挙げました。心理的安全性とはまさしくこれらを実現するための組織文化なのです。

心理的安全性とは誰もが率直に意見を言うことができて、失敗を責められず、自分らしくいられる組織文化です。

働きづらい職場では意見を言わずに黙って言うことを聞けとなりますし、失敗すれば厳しく説教されます。組織の歯車として組織に貢献することが求められます。

これらは心理的安全性とは真逆の特徴です。

心理的安全性がある職場では自由に意見を言えて、失敗を恐れずにチャレンジできて、失敗しても上司や同僚と一緒に原因や再発防止策を考えます。説教で解決しようとはしません。

働きやすさが心理的安全性の有無で劇的に変わることは間違いありません。

心理的安全性については別途詳細な記事を書いていますので、是非読んでみてください。

残業を減らすべく効率化・標準化をしている

残業が少ない方が疲労もストレスも少なくて働きやすいことは先ほど述べました。しかし残業を減らすことは難しいです。

私の経験上もそうですし、働きやすさを求人票でアピールする多くの職場もそうだと推測しますが、働きやすい職場では残業を減らす工夫をしています。

設備投資やIT投資、業務プロセスの改善、無駄の削減、標準化などを行っているのです。

よくある残業が多い職場の特徴としては、参考になる資料が標準がなくて属人的で暗黙知中心であることが挙げられます。

また計画も楽観的でリスクを考慮していないため、想定外の問題が頻発します。

さらには働きづらい職場では残業をいくらしてもいいとか、残業すればするほど偉いという考え方をしています。

働きやすい職場は残業を悪としていますので、残業しない方向で計画も業務プロセスも投資も行っているのです。

従業員を信頼している

働きやすい職場は従業員を信頼しています。これは特に重要なことだと私自身、転職経験から感じています。働きやすい職場と働きづらい職場の大きな差の1つは、従業員を信頼しているかどうかです。

俗にマグレガーのX理論・Y理論というものがあります。X理論は性悪説で、労働者は怠惰だから厳しく管理監督しなければいけないという考えです。多くの職場では一般的かもしれません。

Y理論は性善説で、労働者は本来は真面目に働くものだという考えです。働きやすい職場はこちらの考え方に則っています。

あなたは厳しく管理監督しないとサボる人とみなされて働くのと、真面目に働く人とみなされて働くのではどちらがいいですか?

私はいくつもの職場を経験してみて、明らかに後者だと実感しています。会社の考え方でも働きやすさは大きく変わってくるのです。

働きやすい職場環境の作り方

心理的安全性を確保する

働きやすい職場環境を作る上で、職場の雰囲気や文化は非常に重要です。それらが職場を支配し、従業員はそれらに沿って行動することになるからです。

よってまずは職場に心理的安全性を確保することから始めるのがよいです。一朝一夕ではできないからこそ、今からでも地道に続けていく必要があります。

心理的安全性を確保できれば、仕事における不満でトップクラスである人間関係のストレスが減ります。働きやすい職場環境になること間違いなしです。

心理的安全性を確保する方法と、その効果についても別途記事を書いています。私自身も実践している方法が載っていますので、是非読んでみてください。

効率化・標準化を進めて残業を減らす

残業が減れば働きやすい職場になります。そもそも働きやすさを追求するために働き方改革が登場し、残業を減らしましょうという流れになったくらいです。

残業を減らすためには効率化や標準化を進める必要があります。

非効率な作業が蔓延っていたり、人力に頼っていたりしたら効率は上がりません。無駄な作業を削ったり、ツールを導入して自働化するなりして、効率を上げていきましょう。

また属人的な作業は誰でもできるように標準化し、暗黙知は形式知にしましょう。

〇〇さんしかできない作業だと、その人が休んだら手も足も出ませんし、負荷が高くなっても分担もできません。また負荷が高くなればボトルネックになってしまいます。

標準化して誰でもできる仕事にすると、みんなでノウハウを共有できるため、現場全体のパフォーマンスアップを期待できます。

他にも残業の減らし方については当ブログで沢山記事を書いています。一部紹介しますので参考にしてみてください。

従業員投資を行う

会社が従業員に研修など教育の機会を与え、福利厚生も整えていれば、従業員は大切にされていると感じます。

とにかく頑張って働けとか、残業すればするほど偉いという考えでは、従業員は大切にされていると感じません。それでは我慢ばかりの職場になってしまいます。

また従業員の教育にお金を使っても、売上が増えなければしょうがないと考える会社もあります。私自身もそういう会社に所属したことがあります。

その会社では自主的に勉強会を開いた先輩が「そんなことやって売上が増えるのか?増えなければ無駄だ」と否定されていました。

それはその通りなのですが、勉強してスキルアップすることなしに売上アップやコストダウンはできないでしょう。生産性も上がらないというものです。

ちなみにその会社では勉強も下らないとされていました。理由としては、知識がある人より現場で手を動かせる人が偉いからでした。勉強しても手を動かせなければ無駄という考えでした。

こういう考えはよくないと私は考えています。継続的な学びは現場で手を動かせるかどうかというより、精神的な豊かさにつながるからです。

従業員への教育投資と言っても、例えば次のような取り組みがあります。

  • ベテラン社員が交代制で知識や経験を教える(月1回くらいのペースで開催)
  • ハッカソンみたいに従業員が自主的に作ったり試したりするイベントを公認する
  • 会社のブログで知識や情報を発信する(記事を書くために勉強する)
  • ライトニングトーク大会(プレゼンの練習になる)
  • 資格支援(受験料を会社が出す、合格したら祝い金を出すなど)
  • Schooのような低額オンライン教育サービスを利用する

従業員投資をしっかりやることで、従業員満足度を高めモチベーションを上げることが大事です。そしてそれを表したサービスプロフィットチェーンというフレームワークもあります。

あなたは「がむしゃらに頑張って働けよ!」と言われる会社と、教育制度が整っていて学びの機会が多い会社、どちらの方が働きやすいと感じますか?私は後者です。

管理監督より信じて任せる

人は信用されていないと相手を信用できなくなりますし、モチベーションも出ません。だから会社から信用されていないと感じると、会社に不満や不信感を抱きます。

これは返報性の法則と呼ばれるものです。

https://www.sprocket.bz/blog/20220825-norm_of_reciprocity.html

会社、上司、プロジェクトマネージャーなど管理する側の人がマグレガーのX理論、すなわち性悪説で従業員を捉えていると、従業員も会社に信用されていないと感じて不満を抱き、モチベーションが下がります。

逆に会社、上司、プロジェクトマネージャーなどが従業員を信じて、従業員に裁量を与えて任せていれば、従業員は信用されていると感じてモチベーションが上がります。

従業員を怠惰で厳しく管理監督しないといけない対象ではなく、大人として認めてあげることが大事なのです。

あなたがもし「どうせお前は怠惰だから厳しく管理しないといけないんだ」という扱いを受け、ことあるごとに説教されたらどう感じますか?嫌になって辞めたくなりませんか?私は辞めました。

それよりも上司から「君の〇〇な経験やスキルに期待しているから任せるよ」と言ってもらえる職場の方がよくないですか?

私は会社や上司から認められていると感じる職場はとても居心地がいいと感じます。

従業員を管理監督対象とするのではなく、ともに同じ目標を達成する仲間とみなしてあげましょう。

また人を歯車として使うのが多くの企業だが、一部の先進的な企業では現場の従業員の自主性に任せているという調査結果も存在します。そして後者の業績は高いそうです。

後者の方の企業をティール組織と呼びます。

ティール組織は現場の自主性や裁量にほぼ全てを任せている先進的な組織です。詳細はこちらの記事に書いていますので、是非読んでみてください。

終わりに

今回は働きやすい職場環境がどんなものか、その特徴と作り方を解説しました。私自身が転職経験が多く、働きやすい職場と働きづらい職場の両方を経験しているため、その観点から言えることも書きました。

あなたが経営者や管理職、プロジェクトマネージャーなどマネジメントをする立場か、人事部や経営企画部なら、ここで挙げたことを実践して働きやすさを改善していくのがよいでしょう。

一方であなたが一般従業員であるとか、人事部でも経営企画部でもない場合、ここに挙げたことを満たしている会社を探して転職するという選択肢もあります。

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