いつも不機嫌で怖い上司はダメな上司だ!その理由を解説

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いつも不機嫌で怖い上司はダメな上司だ

いつも不機嫌で怖い上司っていますよね。私も当たったことがあります。いつも怒っていて、物に当たり散らしたり、説教ばかりしたりと、どう関わるか悩んだものです。ストレスも多かったです。

そんな上司は説教も残業も多くて、とても非効率でした。未だにどうしてもこういう上司が仕事ができる人とは思えません。

かといって不機嫌な態度も怖い態度も取らない上司も、仕事ができる人とできない人がいます。

しかし残業せずに成果を出せる会社に入ってみれば、不機嫌で怖い上司はいませんでした。いい人が多いのです。

今回は不機嫌で怖い上司がダメな上司である理由と、仕事ができる上司、すなわち残業せずに成果を出せる上司が心掛けていることを解説します。

不機嫌な上司や怖い上司に疑問を感じている方、マネジメントを学んでいる方、マネジメントする立場になったばかりの方などの参考になれば幸いです。

いつも不機嫌で怖い上司の特徴

心理的安全性がない

いつも不機嫌で怖い上司の職場には心理的安全性をがありません。

心理的安全性とは、誰もが率直に意見を言えて、失敗を責められず、自分らしくいられる職場のことです。

上司が不機嫌で怖い時点で、意見を言ったら説教されてしまうため、部下は黙って言うことを聞くしかありません。これは心理的安全性がない職場です。

心理的安全性がない職場では、部下は上司に意見を言うことを諦めます。また上司や同僚の誰かが間違えても、指摘して怒られるよりは黙るという選択を取ります。

さらにはこういう閉鎖的な雰囲気ゆえにモチベーションも下がります。結果的に離職率も下がってしまいます。

心理的安全性については別途詳細な記事を書いています。私はとても重要なものだと考えていますので、是非読んでみてください。

職場の雰囲気を悪化させている

いつも不機嫌で怖い上司は職場の雰囲気を悪化させています。ピリピリしてイライラするような雰囲気を職場に蔓延させます。

気を引き締めないといけない仕事だけ真剣になり、緊張感を出すなら解ります。しかしいつも不機嫌で怖いと、日頃から息苦しい雰囲気になってしまい、部下もストレスが溜まってしまいます。

残念ながら職場において悪い空気は伝搬します。悪口を言う人がいれば、その人の周りも悪口を言うようになります。

上司がいつも不機嫌で怖い態度を取っていれば、その上司の職場にも不機嫌で怖い空気が伝搬します。部下はピリピリした雰囲気でストレスを溜めながら働くことになります。

恐怖で部下を支配しようとしている

いつも不機嫌で怖い上司は、すぐ怒ります。むしろ怒らない人を私は見たことがありません。

不機嫌で怖い態度を取り、怒って言うことを聞かせる上司は、部下を恐怖で動かそうとします。20世紀は上司が怖くて説教も普通だったかもしれませんが、もう21世紀です。

今時怒って言うことを聞かせる上司についていきたい部下は少ないでしょう。

たとえば恐怖で人を支配しようとして不祥事になった例として、近年ではビッグモーターがあります。

ビッグモーターは従業員に高いノルマを課し、役員が強硬な態度を取っており、誰も逆らえない状態にあったとのことです。これこそ典型的な恐怖で部下を支配しようとして失敗した例です。

ビッグモーターの不祥事につていは、こちらの記事にニュースへのリンクと一緒に書いています。あなたが恐怖や無理なノルマの押し付けに疑問があるなら、読んでみてください。

不機嫌な言動で部下を諦めさせている

上司がいつも不機嫌では、部下は話しかけようとしなくなります。

これは上司に対して雑談をしなくなるという意味ではありません。相談や提案をしようという気になれないという意味です。

そしてこの上司の元で頑張っても、辛くてストレスが溜まるだけだと思うようになります。

仕事は辛いものだから耐えろという意見はあるでしょう。だからといって不機嫌な上司の元で、我慢して辛い思いをする必要はないと私は考えます。

なにより辛いことに耐えるより自分を発揮した方が社会のためになるはずです。

また上司と言えど人間であり、完璧ではないですし、全てを知っているわけでもないです。だから上司が見落としていた点を部下が指摘できるといいです。

私がマネジメントするときは、プロジェクトメンバーに私が見落としていた点や私が知らないことをよく教えてもらいます。

これは不機嫌や恐怖を一切出さず、心理的安全性を実現していから可能なのです。

自分の都合を優先している

いつも不機嫌で怖い上司は、感情を表に出しています。つまり自分の感情を部下よりも優先しているのです。自分の感情が優先ということは、部下や周囲の人よりも自分の都合を優先しているのです。

自分優先という考え方は自己中心的と捉えられるため、やらない方がよいです。自己主張だと前向きに捉える人もいますが、都合のいい解釈です。

自分の感情や都合を優先する人は、いずれ面倒な人として避けられるようになります。

立場が上ならどんな態度でもいいじゃない

仕事と言えど人対人で感情が大事

社会常識として、仕事だからやれとか、仕事は辛いものだから耐えろというセリフがあります。私はこれらのセリフに懐疑的です。

仕事だって人対人のやり取りです。だから人の感情に配慮することが大事です。仕事なんだからやれという考えは、一般的ではあるものの、最低の考えの1つだと私は考えています。

いつも不機嫌で怖い上司は、こういうことに配慮できていません。マネジメントをやる立場にある人は、重要視すべきことだと私は考えています。

ちなみにアサーションというコミュニケーション手法があります。

アサーションの教科書などでは、立場や恐怖、怒りなどで人に言うことを聞かせようとすることを攻撃的自己表現と呼びます。これは人間関係を悪化させるので危険なのです。

相手の都合も配慮した言い方をアサーションまたはアサーティブな自己表現と呼びます。これが望ましい言い方になります。

アサーションについては別途記事を書いていますので、相手に配慮した言い方を学びたいときに参考にしてみてください。

無礼な人は嫌われて避けられる

無礼な態度を取る人、すなわち上から目線とか命令口調、自分優先な態度を取り、不都合があれば怒って相手を責めるような人は嫌われます。そして避けられるようになります。

私が定期購読しているDIAMONDハーバード・ビジネス・レビューでも、たまに無礼な人というテーマの論文が登場します。無礼な人は組織を蝕むことが、研究から解っています。

https://dhbr.diamond.jp/articles/-/2212

上司が無礼であれば、部下は上司と関わりたくないと思うようになります。離職率も高まります。

働きやすい職場作りも上司の仕事

上司の仕事は作業計画を立てて部下に仕事を割り振ることだけではありません。部下のパフォーマンスを上げるために、働きやすい職場を作ることも上司の仕事です。

なにもハイスペックのPCや最新鋭の機械、とても快適だけど高級なデスクや椅子を用意しろという話ではありません。PCや機械の性能は高いにこしたことはないですけどね。

大事なことはそれらのようなハードウェアではなく、ソフトウェアを充実させることです。

自由に意見を言える、自分が尊重されるなど、気持ちよく働ける雰囲気の職場を作ることが上司の大事な仕事なのです。

これはマネジメントの仕事の中でもかなり高度なことです。それゆえ研究者も多いため、数多くの論文や書籍が出ているくらいです。

いつも不機嫌で怖い上司は、これを放棄しています。上司としては初級です。職場のソフトウェア面も整えられてこそ、マネジメント中級者だと私は考えています。

できる上司が心掛けていること

心理的安全性を実現する

できる上司は心理的安全性を実現します。その方が部下のパフォーマンスもモチベーションも高くなるからです。そして結果的にチームとしての成果が高まります。

心理的安全性を実現するのは簡単ではありません。地道に職場の雰囲気を作り続ける必要がありますし、EQもある程度高くなければいけません。

これができるからこそ、仕事ができる上司とも言えます。

私も自分がマネジメントするプロジェクトでは、心理的安全性を実現するよう意識しています。

プロジェクトメンバーにはプロジェクトの目的・目標や顧客の課題はしっかりと共有しますし、残業は基本的にしない方向だと伝えます。

「これってどう思う?」などプロジェクトメンバーに意見を求めますし、提案があれば聞きます。プロジェクトメンバーが話しかけやすい雰囲気はとても大事だと考えています。

おかげさまで、残業せずとも成果を納められますし、自分が見落としていた点をプロジェクトメンバーに指摘してもらえたりしています。

機嫌よく振る舞う

仕事ができる上司は不機嫌なことが滅多にありません。怖い態度も取りません。いい人であることが多いです。

もちろん仕事ができる上司だって、ストレスが溜まっているときや機嫌が悪いときはあるでしょう。人なんだからときにはそういうことはあっても仕方ないです。しかしそれを表に出さないのでしょう。

私も表向きは機嫌よくいい人に振る舞うようにしています。これによって周囲の人が話しかけやすくなるからです。

仕事ができる上司はこれを解っているから、機嫌よく振る舞うことで、部下や他の部署、顧客や協力会社の人たちと率直に話せる雰囲気を出しています。

これもまた立派な仕事術なのです。いつも不機嫌で怖い上司が仕事ができる人だったのは、昭和の猛烈時代の話です。時代は変わったのです。

恐怖ではなく信頼で部下を動かす

仕事ができる上司は部下に命令したり、怖い態度で従わせたりしません。むしろ依頼という形を取り、信じて任せる人ばかりです。マイクロマネジメントをする人は見かけません。

私が面白いと感じたマネジメント書に、大工の棟梁に学ぶプロジェクトマネジメントという本があります。

大工の棟梁に学ぶプロジェクトマネジメント【電子書籍】[ 白鳥 美子 ]

この本でも書かれていて、仕事ができる上司も私もやっていることは、信じて任せるということです。

上司が部下を真面目に働くものだと信じるからこそ、部下も自分が認められていると感じられるのです。

一々うるさく口出しして、部下を疑ってかかっていては、部下はモチベーションが出ません。自分が信用されていない、認められていないと感じるからです。

言動には気を遣う

仕事ができる上司は言動に気を使います。感情的な面でも、相手が認識違いを起こさず的確に伝わるかどうかという面でも気を使って発言します。

先ほども書きましたが、仕事だからやって当たり前ではありません。仕事は人間が集まってやるものです。だからこそ感情がありますし、勘違いもします。

これを前提として、感情に配慮しつつ勘違いをしにくい表現を心がけるのが、仕事ができる上司のやり方です。

このような理由から、礼儀マナーをしっかりやることも大事です。部下相手ならどんな態度でもいいじゃないのです。部下だけでなく、他部署や顧客、協力会社の人に対しても同様です。

礼儀マナーで協力を得るということについては別途記事を書いています。参考にしてみてください。


私も言い方、伝え方にはとても気を使います。日常的な会話の感じで話すと、うっかり失礼なことを言ってしまったり、勘違いする言い方だったりします。

終わりに

今回はいつも不機嫌で怖い上司がダメな理由を解説し、その後で仕事ができる上司や私が心掛けていることを解説しました。

マネジメントはただ専門スキルがあればできるのではありません。プレイヤーの頃と比べると大きな転換も必要ですし、学ぶことも多いです。

だからこそ私はマネジメントの本当のことや、必要な知識を発信して、働きやすい人や職場を増やしたいと考えています。

どんな人でも、働いている限りは不機嫌な上司や怖い上司に遭遇することはあるでしょう。そしてストレスが溜まることもあるでしょう。

しかしそういう人たちを反面教師にして学ばなければ、マネジメントは上達しませんし、働きやすい職場も増やせません。

ストレスのたまるダメな上司こそ優秀な教材です。しっかり学んでいきましょう。

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