定時で帰ることの何が悪い?仕事の本質という観点から正当な理由を解説

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定時で帰って何が悪い

世の中には定時で帰ることに悪いイメージがあります。そして残業が賛美されています。

働き方改革によって残業を減らす方向に動いているとはいえ、まだまだ残業は当たり前で、定時帰りなど夢のような話です。

しかし私は残業が多いIT業界で10年以上は定時帰りを繰り返しています。

今回は定時で帰ることは悪いことではなく、仕事の本質という観点から正当であることを、私自身が長年マネジメントをやって来た立場から解説します。

多くの人が定時で帰ることを悪いと捉えがちですが、実際には違いますし、メリットも沢山あります。

あなたがもし次のような意識をお持ちなら、是非この記事を読んでみてください。

  • 定時で帰りたいけど気まずい
  • 定時で帰ることは本当に悪いことなのか知りたい
  • 残業したくない
  • 残業賛美に疑問がある
  • 残業を強要されている
  • 仕事ができる人になりたい

※この記事にはプロモーションを含みます。

定時で帰ることに対するイメージと誤解

定時で帰ることには悪いイメージが沢山

定時で帰ることには悪いイメージが沢山あります。一例を挙げると次のようなものです。

  • やる気がない
  • 仕事ができない
  • 能力がない
  • サボっている
  • 怠け者
  • 甘えている
  • 根性がない
  • 忍耐力がない
  • 努力をしていない
  • 重要な仕事を任せられない

これらに対する異論はないでしょうし、多くの人が同意するでしょう。定時で帰ることのイメージは実に悪いです。

世の中は残業賛美が根強いため、定時で帰ることは悪いこと、残業することは素晴らしいこと、残業すればするほど頑張っているとされます。

またGoogleで定時帰りを検索すると、仕事ができない、やる気がない、ムカつくなどのキーワードが候補に出てきます。定時で帰ることのイメージはとても悪いようです。

定時で帰ることが悪いとされる理由

世の中には残業すればするほど偉い、頑張っているという意識が根強く残っています。それゆえ定時で帰ると上記のような悪いイメージを持たれます。

また仕事は忙しいのが当たり前です。仕事が暇だったら会社が倒産しないか心配する必要があります。

よって沢山頑張って沢山働けということになります。それが社会人の常識だと言うわけですね。

おそらく残業賛美が根付いたのは第二次世界大戦後でしょう。日本人は焼け野原から復活すべく、欧米の真似をして欧米に追い付け・追い越せと猛烈に働きました。

当時は欧米という目標があって欧米の真似をしていればよかったのです。その上、貧しくてモノ不足でした。だから沢山作って沢山売るのが世の中のためになったのです。そのためには沢山働く必要がありました。

そして日本人は猛烈に働いて高度経済成長とバブルを経験し、ジャパン・アズ・ナンバーワンと言われるほどの経済成長を実現しました。

世界一になった成功体験なんてあったら、何が何でもそのやり方に自信を持ち、正しいとしてしまうでしょう。

つまり定時で帰ることは悪いこと、沢山残業することは素晴らしいことというイメージが日本社会全体に蔓延しており、とても強く根付いているのです。

これが定時で帰ることが悪いこととされ、残業が賛美される理由です。

定時で帰ることが悪いというのは誤解

しかし時代は変わってモノ余りになりました。作っても売れるわけではなく、新しいものを生み出す必要が出てきました。

もう沢山作って沢山売る時代ではなく、新しいものや顧客が必要としているものを生み出す必要がある時代なのです。

また沢山作るということに関しては、オフショア(人件費の安い国での生産)や機械・コンピュータによる自動化が進みました。

もう猛烈に働くよりも、新しいアイディア出したり、顧客のニーズに合ったものを作ったりする時代です。知識やアイディア、コラボなどがものを言う時代になったのです。

だから猛烈に沢山働くよりも、価値を出しましょう。手を沢山動かすよりも、作業は機械やコンピュータに任せて、人間は頭を使いましょう。

定時で帰る人は能力が低くて仕事ができない、すなわち頭が悪いと思われていますが、これは誤解です。

同様に残業を沢山する人ほど能力が高くて仕事ができる、すなわち頭がいいと思われていますが、これも誤解です。

そもそも世の中の多くの会社の常識は、学校で言えば問題を解くのが終わらなくて、居残りをすればするほど優秀で頑張っているということになります。

根本的におかしいですよね。速く終わらせる人の方がどう考えても優秀なはずなのにです。

定時で帰れない人は学校で言えばできなくて居残りをしている人、定時で帰る人は学校で言えば早く終わらせて居残りせずに帰る人です。

定時で帰ることに対する悪いイメージは嫉妬かもしれない

定時で帰れていない人は過半数というスタッフサービスのアンケート調査があります。

52.5%の人が「わたし、定時に帰れません!」残業を減らすための仕事術とは|人材派遣会社は【スタッフサービス】

このアンケート調査によると、約6割の人が残業に反対しています。残業しているけど残業に反対という人が少なからずいます。

他にも残業したくない人の割合に関するアンケート調査がありました。この調査では77.6%の人が残業したくないそうです。

ビジネスパーソンの「残業」事情 調査で判明…「残業したくない派」77.6%、「残業したい派」22.4%: J-CAST 会社ウォッチ

これは私の推測ですが、残業をしたくないけどやらされている人たちが自分を正当化するために、定時で帰ることを悪いこととしている可能性もあります。

私は定時で帰ることに対して、「甘えるな!」とか「仕事を舐めるな!」と怒られたことがあります。またそうやって怒ってくる人たちは終電や休日出勤を常習的にしていて、いつもイライラしていました。

残業が素晴らしいなら自分を誇って満足度も上がるはずです。しかし実際には不満タラタラでいつもイライラしているのです。ということは本当はストレスになっているのです。

もちろん猛烈に働いて出世した人たちは、自分がやってきたやり方を正解とするでしょう。しかし先ほども述べたように、もはや沢山働く時代ではなく、新しいものを生み出す時代なのです。

そしてこの猛烈に働いて出世した人たち以外の人たちに目を向けると、自分は残業を頑張っているのに定時で帰る人が気に入らないという人たちがいるのです。

定時で帰る正当な理由

仕事は時間より成果

そもそも論を言ってしまうと、仕事は時間より成果です。その理由を解説します。

多くの人の考えでは、仕事とは生活の糧を得るために会社に言われたことを我慢してやることとされています。私も子どもの頃からそう言われ、仕事とは辛くて忍耐が必要なことだと言われてきました。

会社という場所に入ってからも、そう言われ、長時間の残業や理不尽に耐えろと日常的に説教されました。耐えられないのは甘えだとも怒られました。

しかし本質的にこれは間違っています。

仕事とは本質で言えば、お客さんに価値を提供して対価を受け取ることです。

どんな仕事でもお客さんが買ってお金を出してくれるから成り立ちます。お客さんがいないなら仕事ではなく趣味です。

そしてお客さんが求めていることは、沢山残業してくれることではなく、支払うお金に対する成果を納めてくれることです。

「沢山残業を頑張りましたけど成果は0です。でも沢山残業を頑張ったからお金を払ってください!」なんて言ってお客さんがお金を払ってくれますか?私は無理だと思います。

だってお客さんからしたら、お金を払って何ももらえない、相手が残業を頑張ったという自己満足だけが存在しているのですから。

つまり私が言いたいことは、仕事で大事なことは沢山残業することではなく、お客さんに対して成果を納めることだとなります。

だから沢山残業して成果が少ないのはダメです。でも毎日定時で帰ってもお客さんに成果を納めていればOKです。また誤解のないように言っておくと、残業したくないから成果を出さずに帰るのはダメです。

残業と成果の例から考える

ここでちょっとケーススタディをやってみましょう。

どちらも同じ仕事量をこなしたけど時間が違う例

1日の仕事量を100とします。Aさんは定時までに100の仕事をこなしました。Bさんは終電までかかって100の仕事をこなしました。

この場合、Aさんは定時で帰ってしまうので悪いとされるのが世間一般のイメージです。そしてBさんは終電までかけて頑張っているのだから素晴らしいとされます。

でもこなした仕事量は同じ100です。こういうことが平然と起きているのが仕事の世界です。

あなたはどちらが仕事ができる人だと思いますか?私はAさんの方が仕事ができると考えています。そして私自身も定時までに仕事を終わらせることを心掛けています。

こなした仕事量が違う例

しかしこれくらいなら全然マシです。もっと酷い例はあります。また1日の仕事量を100としましょう。

Cさんは100の仕事を16時までに終わらせて、他の人の仕事を手伝い始めました。定時には120の仕事が片付きました。Dさんは22時までかけて80の仕事をしました。

この場合もCさんは悪い、甘えている、サボっているというイメージを持たれます。1日のノルマを超えているのにです。一方でDさんは遅くまで頑張って残業して偉いと褒められます。

あなたはどちらが仕事ができる人だと思いますか?私にはどう見てもCさんの方が仕事ができるように見えます。これは私が実体験した例です。

同じ仕事をするのに所要時間が大きく違う例

もっと酷い例があります。IT業界で現実に起きていることを例に出します。

EさんとFさんという2人のプロジェクトマネージャーがいます。2人は別々のプロジェクトを任されており、どちらのプロジェクトも条件は同等とします。つまり規模や期間、技術やプロセス、チームの人数やスキルも同等とします。

Eさんのプロジェクトは残業時間が大体10時間前後で予定通りに終わりました。しかしFさんのプロジェクトは途中から連日終電となり、休日も返上し、1ヶ月延長してなんとか終わりました。

あなたはどちらが仕事ができる人だと思いますか?この場合はEさんのチームもFさんのチームも、メンバーの人数やスキルは同等とします。

一般的にはFさんとFさんのチームにいるメンバーの方が頑張っていて優秀とされます。そんなに大変なプロジェクトをよく頑張ったと褒められるでしょう。一方でEさんのプロジェクトは難易度が低かったとみなされるでしょう。

しかし私にはどう考えてもEさんの方が仕事ができる人です。そして私自身もこのEさんの方を目指して、定時帰りしつつ成果を出すように心掛けています。

本当は定時で帰る人の方が仕事ができる

ここまでの例で見たように、残業しないと仕事が終わらない人は本人なりに頑張っているとは思いますが、優秀とは言えません。定時までに仕事を終わらせて帰る人の方が優秀です。

世間一般では残業すればするほどやる気も能力もあると言われています。しかし仕事の能力とは本来は長時間残業への耐性ではないはずです。成果を出すために必要なスキルが仕事の能力のはずです。

残業賛美する人はここをはき違えています。

仕事の本質で考えれば、沢山残業することよりも顧客に成果を届けることが大事です。そして先ほどの例の通り残業時間と成果を計算してみれば、残業せずに仕事を終わらせられる人の方が能力が高いと考えられます。

だから私は残業することよりも顧客に成果を届けることを重視しますし、成果を出して定時で帰るようにしています。

仕事が終わっていないのに定時で帰るのはNG

仕事が終われば定時で帰っても正当

ここまで解説してきたように、仕事は残業時間の長さではなく顧客に届けた成果で測るべきです。間接部門のように社外の顧客に提出するものを作らない、社内の他の部門が顧客という部門でも同様です。どんな仕事でもお客さんがいるから成り立ちます。

よってお客さんにちゃんと成果を届けられれば、届けられるスケジュールで順調にあるいは前倒しで進んでいれば、定時で帰ることに問題はありません。

そもそも残業が発生するのはマネジメントに問題があるからです。顧客価値よりも上層部やマネージャーの自己満足、つまり残業賛美や忖度を優先したり、非効率なやり方を採用したり、根性論を押し通したりするからなのです。

だから私は残業せずに成果を出すマネジメントを心掛け、定時帰りを繰り返しています。

仕事が終わらなければ残業してでも終わらせるべき

先ほどから何度も、いやこのブログの様々な記事で何度も言っていますが、私は定時帰りの常習者です。

だけど仕事が終わっていないのに定時で帰ることはNGだと考えています。

私が言っていることは、時間ではなく顧客への成果で仕事を測るということです。よって私は仕事が終わっていなければ残業してでも終わらせるべきという考えです。

私は仕事が終わっていないのに定時で帰ることは間違っていると考えています。

まずはやるべき仕事をやることです。その日にやるべきことが終われば定時で帰ってもいいのです。残業するにしても、どこまで残業するかと言えば、その日にやるべき仕事が終わるまでです。

時間より顧客への成果が大事だからこそ、残業することより仕事を終わらせることを重要視するのです。残業なんて顧客にとって価値がないからこそ、定時までにやるべき仕事を終わらせるのです。

おそらく定時帰りで信用をなくす人は、仕事が終わっていないのに定時で帰るからまずいのではないでしょうか?

もちろん世の中には残業賛美の人が沢山いますので、そういう人から見ればいくら成果を上げても、成果より残業時間で評価されます。

しかし成果という意識が多少なりともある人から見れば、仕事が終わっていないのに定時で帰るのはまずいです。仕事がさっさと終わって定時で帰るなら、「あの人は優秀だから仕事が速い」で済むでしょう。

過剰な残業が発生する場合は無理せず相談する

定時帰りと成果を出すことはセットだと私は考えています。

しかし予想外の事態になったり、大きな失敗をしたりして、長時間の残業(目安として月30~40時間以上)が必要になった場合は、上司や顧客に相談しましょう。

こういう場合は自分が無理したり、周囲の人に無理を強いたりしなければ解決できません。これは健全とは言えない働き方です。

大きな問題が発生した場合は、自社にとっても顧客にとっても大きな影響が出ます。だからこそ一人で悩まず、上司の力も借りる必要があります。

一人で抱えて無理をして潰れたり、手遅れな事態になってしまったりしてからでは遅いです。また現場の人だけで無理をしてみんな潰れたり、現場で頑張ってみたけど手遅れな事態になってしまったなどということになっても、どうしようもありません。

よって自分が頑張って何とかなる範囲ではないなら、上司と相談してアドバイスをもらうなり上司に調整してもらうなりする必要があります。

またBtoBの仕事では顧客との調整も必要です。顧客ともしっかり相談しましょう。

残業ばかりしている人は反面教師

残業ばかりするのは仕事の進め方が下手だから

残業ばかりすることを世間一般では優秀、頑張っていると褒めます。しかし実態が逆であることはここまで書いてきた通りです。

残業は仕事の進め方に問題があるから発生します。よって残業ばかりしている人は仕事の進め方が下手なのです。

今日の仕事量が100だとして、定時までに100以上やればいいのです。それを定時までに80しかできないのが残業する人です。

そればかりか、100の量がある仕事を甘く見積もって80くらいと思っていたとか、100と見積もっていたけど実は120だったというのが、残業ばかりする人の仕事の進め方です。

残業ばかりしている人の仕事をよく観察してみてください。非効率なところが必ずあるはずです。よくある例は次のようなものです。

  • 考えるよりも手を動かす
  • 根性論が好き
  • 昔からこのやり方だから、このやり方でいい
  • ルールだからやる(本当に必要なのか考えない)
  • 何でも完璧にやろうとする
  • 上司や顧客の言いなり
  • ミスしても誰かのせいにするか、次から気を付けるで済ます(根本的な再発防止をしない)
  • 楽観的に計画を立てる(リスクを考えていない)
  • 手段ばかりに気を取られ、目的に対する意識が低い

何も考えずに仕事をすれば残業は発生する

仕事は想定外も割り込みも起きます。何でも想定外に進むなどあり得ません。

だからこそ作戦が大事なのです。起こりそうな不都合なことは予兆が見えた段階で潰すのです。例えばこの資料はこの書き方だと誤解があるのかな?とか、認識違いをしている人があったらその場で説明するなどです。

違和感や嫌な予感がしたら、すぐに確認することも大事です。

また何でもかんでも完璧にこなそうとしてはいけません。何でも優先度を高くして、何でも100点満点を目指す人がいますが、そういう人は残業が多いという特徴があります。

残業して当たり前という考えなら時間制限がとても緩くなります。時間制限が緩いということは難易度が下がるということです。だから人は定時で帰るよりも残業する方を選ぶのです。

定時で成果を出して帰るということは時間制限が厳しいため難易度が高いのです。決して甘えでも怠けでもサボりでもないのです。

つまり考え抜いて、上手く行かなければすぐにその場でやり方を変えるなど臨機応変な対応をしてこそ、定時までに十分な成果を出せるのです。

定時までに成果を出すコツ

仕事の進め方を上手くなる

定時までに成果を出して帰るために必要なことは、仕事の進め方を上手くなることです。

残業は漏れなくほぼ100%マネジメントの問題です。つまり仕事の進め方ややり方に問題があるのです。

だからマネジメントを勉強して、上手い仕事の進め方を身に付けることが、定時で帰るために有効です。

私は定時までに成果を出して帰る会社で経験を積んだから、定時で帰れるマネジメントができるようになりました。そういう会社では仕事の進め方に対する議論が盛んでした。

残業せずに成果を出しているマネージャーたちは、徹底的に議論するとともに知識が豊富なのです。

だからあなたが定時で帰りたいと思ったら、まずはマネジメントの勉強をしてみることが有効です。マネジメントの知識は管理職やプロジェクトマネージャーだけが使うものではありません。仕事の進め方そのものなので、定時まで成果を出して帰るために役立ちます。

マネジメントの勉強をしようとしたら、マネジメント雑誌を読むか、マネジメント関連のビジネス書を読むのがいいです。仕事術の本もいいでしょう。

私はDIAMONDハーバード・ビジネス・レビューを定期購読していますが、さすがにこれはハードルが高いでしょう。

DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー

もうちょっとハードルが低い、一般的なビジネスパーソン向けのものだと、週刊ダイヤモンドもあります。雑誌の場合はマネジメントに必要な知識を色々得られるというメリットがあります。

雑誌でなくても、例えば仕事術の本や生産管理の本(QCDや改善など)、組織やチームに関する本(リーダーシップや文化・習慣など)というように、マネジメントに関する書籍は沢山あります。

今ご自身が直面しているテーマに合った本を選んで勉強してみるのがいいでしょう。例えば職場で効率が悪い作業が多い場合は、業務効率の改善や改善活動のような本、情報やノウハウの共有に問題があるなら組織に関する本です。

本を買うよりまずはネットで概論だけでも知りたいという方は、このブログの記事を読んでみてください。私が定時帰りするために実践している記事を書いています。

残業しないマネジメント – MIDナレッジ・ワークショップ

継続的に改善を行う

定時までに成果を出すためには、短時間で成果を出せるだけの業務効率が必要です。これは一朝一夕ではできません。

よって日々継続的に仕事を改善していくことが必要です。

継続的に改善すると言っても、何をすればいいのか解らないという方は多いでしょう。例えば次のようなことをしてみてください。

  • 何度も繰り返し発生する作業は、ツールややり方で作業時間を短縮する
  • ミスが多い作業は、作業手順や資料テンプレート、手順書などを見直す
  • 昔からずっと同じやり方をしている作業は、やり方を見直す
  • 昔から習慣としてやっている作業は、そもそも必要なのかを検討する
  • ボトルネックとなっている作業を洗い出して、そこを重点的に改善する
  • 優先度・重要度を付け、後でいい作業は後回しにする

ざっと挙げただけでもこれだけあります。本当はもっとありますので、詳細を書いた記事を紹介します。

PC環境を見直す

続いてPC環境です。もしあなたがオフィスワークなら、意外と地味に効いてくるのがPC環境です。

会社でハイスペックなPCを使うのは、技術系かクリエイティブ系でなければ難しいでしょう。そういう会社でもロースペックなPCしか支給されない恐れもありますが。

しかし大きなモニターを接続するとか、ノートPCの場合は外付けのキーボードを付けるだけでも、作業が快適になります。

PC環境についてはこちらに詳細記事を書いていますので、参考にしてみてください。

またもしあなたがオフィスワークでない場合はPCを使わないかもしれませんが、昨今はタブレットやスマホの導入が進んでいます。スマホやタブレットで効率化してくれという要望を会社にダメ元で出してみるのもいいかもしれません。

この業務のこういう箇所が非効率なので、ツールで効率化してほしいというように、具体的な要望にすれば会社も少しは動きやすくなるでしょう。

ただし新しいことに前向きな会社である必要がありますが。

形骸化した仕事を見直す

形骸化した作業はドンドン変えるか削るかしましょう。そんなものは余計な作業でしかありません。必要な作業に専念して、定時までにやるべきことを終わらせましょう。

また同時に、作業のルールや作業手順は改善し続けましょう。昔からこのやり方だからとか、このやり方で上手くいくからと言っていては、いつまで経っても業務効率は変わりません。業務効率が変わらないなら残業が減らないので、いつまで経っても定時で帰ることができません。

形骸化や作業ルールの改善についてはこちらの記事に詳細を書いています。

属人的な仕事を見直す

属人的な仕事は一般的に見かけるものでしょう。

この仕事はAさんしか知らない、この仕事はBさんがいつもやっているから、Bさんに聞けば解決という話はありがちです。

これはこれで便利かもしれません。しかしこの問題点はAさんやBさんなど唯一知っている人に負荷が集中することです。

そしてこの人たちが忙しいから、これ以上仕事を受け付けられなくなって、仕事が進まなくなるという問題が発生します。またこの人たちの残業時間も増えます。

だから属人的な仕事は共有化や標準化して、他の人でもできるようにしましょう。

標準化してしまうと、ここでいうAさんやBさんのような人たちは自分の仕事を奪われてしまうかもしれないと疑ってくる可能性はあります。しかしどうせ社内に仕事は溢れているのです。むしろ自分の島に閉じこもっている方が問題です。

だからみんなで多能工になって、みんながあれもこれもできる方が効率的なのです。これもかつて日本の製造業がジャパン・アズ・ナンバーワンを取った方法の1つです。

属人性についてはこちらに詳細記事を書いていますので、参考にしてみてください。

改善は継続して行うこと

そして何より大事なことは、改善は1日にしてならずということです。改善が1日でできないなら、当然ながら定時帰りも1日でできません。

地道に挫折せずに改善活動を続けることで、初めて定時帰りが見えてきます。そのためにはハードルを下げて、小さな改善を積み重ねることが大事です。

ちなみに日本が20世紀の終わりにジャパン・アズ・ナンバーワンになったとき、日本の製造業の強みの1つに、現場が地道に改善活動を行うというものがありました。改善活動を長年続けると大きなものになるのです。

改善活動を継続的に行うということについても、詳細記事を書いています。参考にしてみてください。

終わりに

今回は定時で帰ることが悪いことではなく、正当であることを理由付きで解説しました。私自身が長年に渡り定時で帰れるマネジメントをしてきたからこそ言えることを書きました。

仕事が終わっていない、あるいは十分な成果を出していないのに定時で帰ることはいけないことも書きました。

世の中は少しずつ残業を減らす方向に動いています。しかし残業せずに成果を出すところまでは遠いです。

あなたも残業を減らす流れに乗りつつも、業務の効率化を実現してみてください。そして成果を出して堂々と定時で帰りましょう。成果を出しているなら、人として悪いことをしない限り文句を言われる筋合いはありません。

私は世の中から理不尽な残業や不毛な残業が減り、多くの人が無理なく楽しく働けて、幸福度と従業員エンゲージメントが上がることを望んでいます。

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