残業を減らしたい!そんな方のための効率化の観点からできること
このブログでは散々、残業が悪い悪いと言っています。しかし残業が悪いと言っても、簡単に残業をなくせたら苦労はしません。私だって最初から定時帰りをしていたわけではないです。
そんなわけで今回は効率化という観点から、残業を減らす方法を解説します。
残業を減らしたい!と悩んでいる方の参考にしていただければ幸いです。主に管理職やプロジェクトマネージャーの方向けとなります。メンバーの立場である方が実践するのは難しいかもしれませんが、ご自身の担当範囲に取り入れることは可能だと考えています。
まずはマインドセットを変える
残業が当たり前という現実がある
残業は当たり前、残業があるのが普通、残業はしょうがない…そういう職場は少なくないでしょう。
現実として残業があることの方が普通です。毎日定時で帰ることができる職場の方が少ないでしょう。
すると残業することを前提に仕事を進めてしまったり、定時を過ぎても当たり前のように残業をし続けたりしてしまいます。
残業はなくせると思わない限り残業は減らない
まずは残業は当たり前じゃない、残業は減らせるという意識を持つことが大事です。残業が当たり前と思っていては、残業を前提に仕事を進めてしまいます。定時帰りなど夢のまた夢です。
よってまずは残業はマインドセットを変えることが重要です。残業に対するマインドセットについては、こちらの記事を参考にしてみてください。
現状を分析して非効率を洗い出そう
習慣としてやっていることは沢山ある
長年同じやり方をしている業務は、作業プロセス自体が形骸化している可能性があります。
昔は必要な作業だったけど、今は不要になっている可能性があります。あるいは昔からこのやり方で上手く行っているからと、もっと効率化できるのに改善されていない可能性もあります。
形骸化した作業を現在の状況に合わせて変えようという記事も書いています。
残業を減らそうと思ったら、まずは現状の作業プロセスを見直してみましょう。今となっては不要な作業が見つかったら削除します。長年やり方が変わっていなくて、もっと効率良くできる方法があるのなら、効率が良い方法に変えていきましょう。
ボトルネックを洗い出す
TOC(制約理論)というものがあります。全体の生産性はボトルネック工程の生産性で決まるという理論です。
詳細はザ・ゴールという書籍を読んでみてください。マネジメントを学ぶ人にとっては、とても有名な名著です。
ザ・ゴール 企業の究極の目的とは何か【電子書籍】[ エリヤフ・ゴールドラット ]
全体の生産性がボトルネック工程の生産性で決まるということは、全作業プロセスのうち、一番遅い作業を改善しなければいけないということです。他の作業を改善して効率化したところで、全体の生産性が変わらないわけです。
よって作業効率を高めるためには、ボトルネックとなっている作業、つまり非効率で一番生産性の低い作業を改善することが重要です。
これは部分最適では生産性は上がらず、全体最適をすることで生産性が上がるということでもあります。こちらに詳細な記事を書きましたので、ボトルネックと全体の生産性について学びたいと思ったら読んでみてください。
時間がかかる作業を洗い出す
ボリュームが大きくて時間がかかる作業を洗い出しましょう。そういう作業があるのなら、機械化・自動化や道具の力で効率化しましょう。ボリュームが大きい作業ほど、削る余地が大きいです。
残業を減らしたければ根性論を捨てなければいけません。人力での解決は止め、創意工夫や発想を大事にしましょう。
製造・建設・物流など実物を扱う仕事では、設備や道具に投資しましょう。オフィスワークではマクロ作成や便利なソフトウェアを利用する、システム化するなどを検討しましょう。
頭より体力や労力を使っていると感じる作業を洗い出す
体力や労力にものを言わせて力技でやる作業も時にはあります。ものすごく重いものを何度も運ぶ、大量のデータを手作業で処理するなどです。
こういうものも機械化・自動化してしまった方がいいです。製造業や物流業で重いものを何度も運ぶのなら、ベルトコンベアーや車両で運ぶようにしましょう。そういう投資が難しいなら、せめて運ぶ導線自体を極力短くするようレイアウトを調整しましょう。
手作業で大量のデータを処理しているなど、オフィスワークで人力作業が多い場合も、自動化やシステム化をしましょう。
体力や労力にものを言わせるよりも、創意工夫と発想を大事にしましょう。その方が効率が上がり、残業時間は減ります。そもそも体力や労力がものを言う作業は機械の方が得意です。機械の方が人間より重いものを運べますし、機械はミスもしませんし、疲れもしません。
人間が機械より得意なことは、頭を使うことです。創意工夫や発想などは人間にしかできません。AI時代になって益々重要と言われていることでもあります。
ノウハウ不足で苦戦していることを洗い出す
ノウハウがなくて試行錯誤が必要なことも時にはあります。やり方が解っていなく、どれだけの時間がかかるかも予想がつきません。こういうことは効率化も何もないと思うかもしれません。
しかしこういうことでも効率化は可能です。一人で抱え込むより知ってそうな人に聞くことです。知ってそうな人がいないなら、色々な人からアイディアを募ってみればいいです。他人のアイディアが意外なヒントになることもあります。
私も仕事で技術的にやり方が解らない問題にぶち当たることがよくあります。こういうときは頭を冷やして一歩引いて、広く色々な可能性を考えるようにしています。また他人のアイディアを借りることを意識しています。
ミスや手戻りが多い作業を洗い出す
ミスや手戻りが多い作業もあるでしょう。
根性論でミスは減らせません。ミスは経験を積めば減るものですが、人間である以上は0にはできません。
特に複雑な作業、同時に考えることが複数個ある作業、手順やチェック項目が多い作業は、ミスが発生しやすいです。こういう作業を洗い出してみましょう。
そしてなぜなぜ分析で原因を5回くらい深掘りしてみましょう。分析結果を図表で書けるといいです。フィッシュボーンチャートが使いやすいです。
ミスが多い作業について、標準化やマニュアル化をしたり、チェックリストを作ったりしましょう。複雑なためにミスが多い作業はシンプル化し、経験を要する作業ならコツを資料化し、経験の浅い人が練習する機会を作りましょう。
コミュニケーションの齟齬が原因なら、用語の定義の見直しや作業ルールの作成を行いましょう。コミュニケーションの齟齬についてはこちらに記事を書いていますので、参考にしてみてください。
効率化の例
データ入力量が多すぎるのをシステム化
人力で毎日数十件から数百件のデータを入力している、月次の締め作業で1,000件以上のデータを入力あるいは編集する必要があるとしましょう。
まさか今時、手作業でこんな量のデータを扱わないと思いますが、Excelで人力でやっているケースはどこの職場でもあるでしょう。
こういう場合は自動化が有効です。マクロやRPAを活用したり、システムにデータの一括編集機能を追加してしまった方がよいでしょう。
システムにインポートして、システムが一定ルールに沿ってまとめて編集して、終わったら指定のディレクトリーにエクスポートあるいはダウンロードされればいいでしょう。
このようにして大量データの処理という、人力だと時間がかかる上にミスも発生しやすい作業を自動化すれば、効率化できます。
ただしここで注意点があります。最初から100点満点すなわち全作業の自動化を行わないことです。最初は特にボリュームの大きい箇所だけ自動化し、他は人力というように、影響が大きいところから順に自動化していくのがよいと私は考えています。
いきなりビッグバンで全て自動化を目論んでもいいですが、それだとリスクが大きいです。やってみたら上手く行かないことは仕事でありがちなことです。だから速く恩恵を受けられてリスクも抑えられる方法として、段階的な自動化があります。
ミスが多いのでチェックリストを作成
私も慣れた作業でも複雑で手順が多い作業ではミスをすることがあります。後で気付くんですよね。
こういう作業はミスをする度にチェックリストや作業手順の改善を行っています。毎回気を付けようとは思いますが、気を付けてもミスをするのが人間です。
だからできるだけ機械的に作業手順に従うようにすることや、念には念を入れるためのチェックリストを活用することを意識しています。
チェックリストなんて聞くと面倒だと思うかもしれません。しかしミスをする不安、ミスをした後のリカバリー、ミスがないか確認しているときの不安を考えれば、チェックリストがあっても損はないと私は考えています。
全てを資料化すると、資料の作成・メンテナンスともに膨大な労力がかかってしまいます。だから私は複雑だとかミスや勘違いが多い作業に絞って資料を作っています。
終わりに
今回は残業を減らす方法を効率化という観点から書きました。
そして私の実体験から、非効率な個所を洗い出す方法と効率化する方法について書きました。最後には私自身が効率化を何度も行った例を書きました。
残業はあって当たり前ではありません。本来の定義では通常時間内に終わらないから残業をするのです。よって残業しなくても終わり、家族サービスや趣味、自己研鑽の時間を取れるようであるのが正しい形です。
残業を減らしたいけど減らし方が解らないという方、残業はいきなり0にはできませんが、粘り強く継続的に改善していけばいつかはなくなっていきます。粘り強く続けていきましょう。